2016年08月23日

8月20日 なつやすみ野外上映会レポート!

こんにちは、シネマウマです!
DSC_0134.JPG

8月20日(土)、恒例となった「なつやすみ野外上映会」が開催されました。
DSC_3137.jpg

といっても、当日は台風の影響で朝から豪雨。

DSC_0093.JPG

雨が上がっても校庭はぬかるんでいるので、場所を体育館に移しての開催となりました。

R0013301.jpgDSC_0008.JPG
DSC_0096.JPG
雨で蒸し暑い中、準備するスタッフ

DSC_0075.JPG
毎年お世話になっている「鈴木映画」さん

降ったり止んだりの天候の中、夕方5時の開場を迎えました!

DSC_0129.JPG
DSC_0111.JPG
開場前から、たくさんのお客さんが待っていてくださいました

DSC_0125.JPG

校庭の片隅で屋台やゲームコーナーを設け、参加者に楽しんでもらいました。

DSC_0166.JPGDSC_0235.JPGDSC_0243.JPGDSC_0252.JPG
シネマウマの耳でナイスキャッチ☆

今年の映画は『パディントン』、ロンドンを舞台にしたイギリス映画です。それにちなんで、イギリス製のビールとフィッシュ&チップスも販売しました。
DSC_0145.JPGDSC_0151.JPGDSC_0161.JPG
ペールエールビールとフィッシュ&チップス!ロンドンのパブが麻生小学校に出現だウマ☆

校庭には大きなおにいさんが登場!子どもたちの人気を博していました。
DSC_0253.JPG
DSC_0261.JPG
DSC_0202.JPG

また会場では、4月に発生した熊本地震の復興支援募金を呼びかけました。
DSC_0220.JPG
DSC_0277.JPG
DSC_0450.JPG
おかげさまで、14,407円の寄付が集まりました。熊本県宛、送金させていただきます。ご協力、誠にありがとうございました。


さて、6時半、いよいよ開演。

DSC_0398.JPG

雨だったので、来客はうんと減るかと思っていたのですが、予想を上回って体育館はいっぱい。屋台にお越しいただいた方を含め、500人ほどの方に楽しんでいただきました。

上映前にさきほどのお兄さんたちが登場!
DSC_0326.JPG
DSC_0347.JPG
DSC_0355.JPG
DSC_0388.JPG
DSC_0417.JPG

お兄さんたちの正体は地元・新百合ヶ丘の劇団「campany ma」の団員さん。『パディントン』にちなんだクイズコーナーで盛り上がりました。

さあ、いよいよ上映開始。

DSC_3198.jpg

体育館には冷房設備はなく、窓を開けたり扇風機を回したり氷を用意したりして少しでも快適なひとときを過ごしていただこうと工夫しました。熱中症など大きなトラブルもなく、上映会は終了しました。

DSC_3202.jpg
ボランティアスタッフも夜遅くまで撤収作業。無事終わってほっと一息。おつかれさまでした!

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!また来年も、ご期待ください!

DSC_0133.JPG
シネマウマリポートでした☆

KAWASAKIしんゆり映画祭、本祭は11月5日(土)〜11月13日(日)!
詳細は 
公式HP→こちら
ジュニア映画制作ワークショップHP→こちら
Facebook→こちら
twitter→こちら

ボランティアスタッフ一同、準備してお待ちしております。
秋にお会いしましょう!


posted by シネマウマ at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2015年12月05日

【映画祭レポート/第21回KAWASAKIしんゆり映画祭は盛況のうちに終了しました!】

11月3〜8日にわたり開催された第21回KAWASAKIしんゆり映画祭。たくさんのゲストをお迎えし、連日盛況のうちに終了しました。
SIF_85090424.JPG

今年は、映画祭Facebookに「映画祭レポート」をUPしました。下記のリンクからご覧になってくださいね!(「川崎市アートセンター」の会場別、ゲストのある回のみレポートしております)。


11月3日(火・祝)
《アルテリオ映像館》
@『私の少女』

A『物置のピアノ』

B 『グッド・ストライプス』


《アルテリオ小劇場》
@『ムッツマン』

A 活弁上映『サンライズ』



11月6日(金)
《アルテリオ小劇場》
『それでも僕は帰る〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』



11月7日(土)
《アルテリオ映像館》
@『お盆の弟』

A『神々のたそがれ』】


《アルテリオ小劇場》
@ 『滝を見にいく』

A『スクリーンで観るショートフィルムのセカイ』

B『虎影』



11月8日(日)
《アルテリオ映像館》
@『トイレのピエタ』

A『365日のシンプルライフ』+対話ワークショップ

B『ローリング』


《アルテリオ小劇場》
@《いいな広野 わが町発見》─ふるさと創造・映像教育プロジェクト─

A凱旋上映!『未来選択』

B『KANO 〜1931 海の向こうの甲子園〜』

「盛況!「シネマウマカフェ」


足をお運びいただいたお客さま、ゲストの皆さま、ご来場誠にありがとうございました!

今後とも、KAWASAKIしんゆり映画祭をよろしくお願いシマウマ!(シネマウマ)

1446941734253.jpg

posted by シネマウマ at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2015年09月02日

8月22日開催「なつやすみ野外上映会」レポート!

こんにちは、シネマウマです。
DSC_0088.JPG
8月22日(土)に開催された「なつやすみ野外上映会」のレポートです☆

第6回(2000年)から始まった「なつやすみ野外上映会」も、おかげさまで16年目。春から準備してきた市民ボランティアスタッフたちの、長い一日が始まります。
SIF_69850017.JPG
会場の麻生小学校への荷物搬入

毎年悩まされる天候ですが、今年は…「ちょっと暑さが和らいできたかな」と期待した矢先、朝から猛暑!!

DSC_0030 (2).JPG
熱中症対策に十分注意して、作業を進めます。

SIF_71050100.JPG
テントの組み立てにはコツがいります。みんなで息を合わせることが大切。「せーの」のかけ声が校庭に響き渡ります。

SIF_70260050.JPG
昼の全体ミーティングは、全スタッフが集まる最後の機会。「会場設営の進行状況は?」「落とし物の届け先は?」「地震があったら?」などなど、ひとつひとつ確認していきます。真剣なひとときです。

DSC_0026 (2).JPG
照明の設置、調整

DSC_0021.JPG
お客さんが座るブルーシート張り。灼熱の中での作業です。

DSC_0040.JPG
ゲームコーナーの準備

DSC_0044 (2).JPGDSC_0034 (2).JPG
DSC_0061 (2).JPG
ひたすら運んで、張って、結んで

R0012300.JPG
駅から小学校までの道順を記した看板のとりつけ

SIF_72110184.JPG
野外上映の肝となるスクリーン。いつもお世話になっている北島工務店さんの手で、みるみるうちに設営されます。

DSC_0044.JPG
校庭後方で準備するのは、こちらもずっとお世話になっている映写の「鈴木映画」さん。雨の日も風の日も、そして今日のような猛暑の日も安定の上映、いつもありがとうございます!


ステージイベントのリハーサル開始。
DSC_0049.JPG
進行、音響スタッフとの綿密な打ち合わせ。その他、会場整理、照明、弁当、警備、影アナ、来賓対応、ゲーム、記録、などなど…いろいろな役割があり、打ち合わせにも熱が入ります。

スタッフ控室の備えも万全! 
DSC_0205.JPG
DSC_0038.JPG
お弁当に、手作りおにぎりに…アイスもあるよ☆

さあ、17時。いよいよ開場です。校門、オープン!
R0012364.JPG
シネマウマがお出迎え

DSC_0295.JPG
DSC_0246.JPG
焼きそばに、ドネルケバブ、コーヒー、…もりだくさん

DSC_0107-001.JPG
シネマウマクッキーも!かわいい上に、ヘルシーで美味しかったウマ♪

R0012372.JPG
謎の「大きなお兄さん」が登場!

DSC_0278.JPG
子供たちはお兄さんに興味深々〜 いったいその正体は? 

今年のゲームコーナーは去年に引き続き「クッブ」。両チーム5個ずつのクッブ(角材)を自陣コートに並べ、6本のカストピンナ(丸棒)で相手のクッブを倒すスウェーデン発のスポーツ。
DSC_0258.JPG
DSC_0108-001.JPG
DSC_0319.JPG
大人も子どもも夢中! だんだん日差しの傾いてきた校庭に、歓声が響き渡っていました。

さてさて、こちらではシネマウマ募金隊が参上!
DSC_0281-001.JPG
東日本大震災後、東北の被災地を中心に上映会を行っているシネマエール東北」。映画ファンからの募金を土台に運営され、当映画祭も賛同しています。会場で募金を呼びかけたところ、多くの方が応じてくださいました。ありがとうございます!

※追記(9月15日)
9月8日付で
募金額合計 7551円
振込手数料 216円
実際募金額 7335円
を「シネマエール東北」に寄付いたしました。
皆さまのご協力ありがとうございました。


DSC_0301.JPG


さあ、いよいよ開演。今年の上映作品は『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』。言わずと知れたマイケル・J・フォックス主演の大ヒットシリーズですが、このPart2が描く「未来」は、なんと2015年!

DSC_0411.JPG
白鳥あかね当映画祭顧問のあいさつ

地元の昭和音楽大学有志の皆さんによる四重奏
DSC_0379.JPGDSC_0400.JPG
上映作品にちなんだ曲も☆ 気分が盛り上がってきました。

日も沈んで、心なしか暑さが和らいできました。上映は暗くなってからです。
DSC_0445.JPG

四重奏に続いて、『Part1』のあらすじ解説タイム!
DSC_0449.JPG
DSC_0454.JPG
『Part1』名シーンのイラストを背景に、ドクとマーティが登場! 掛け合いが始まります。
(※素敵なイラストは地元で活動中のyukkyさんの作品。yukkyさん、ありがとうございました!)

DSC_0469.JPG

あれ? なぜかドク博士が2人! しかも、お客さんの中に入って、「しんゆりの未来」を訪ねて回るタイムが始まったよ☆
DSC_0472.JPGDSC_0503.JPGDSC_0515-001.JPG
お答えいただいたみなさん、ありがとうございました!

そしてドクとマーティの正体は、「劇団 間(company ma)」のみなさん。
(「大きなお兄さん」もドクで熱演♪この劇団の団員さんでした)
楽しいステージをありがとうございました!

さあ、いよいよ上映だ。朝から駆けずりまわっていたスタッフもようやく一息。
DSC_0524.JPG

空を飛ぶ車、自動靴ひも調節機能付きスニーカー…。焼きそばを食べながら、ビールを飲みながら、思い思いの格好で、1989年当時の映画人たちが描いた「2015年の未来」をみんなで観ます。
小田急線の走る音、風で少しゆれる画面、子どもたちの笑い声…これぞ野外上映。

DSC_0530.JPG
上映後には拍手をいただき、スタッフの一日の疲れも吹っ飛びました。

DSC_0553.JPG
今年は近隣花火大会と日程が重なったにも関わらず、約1000人のお客さまがご来場。
ありがとうございました。


本祭は11月3〜8日開催です。
スタッフも本祭に気持ちを切り替え、準備に奔走中!お待ちしてますウマ〜!
映画祭HP:http://www.siff.jp/
映画祭twitter:@k_siff   

company ma (カンパニー間) 情報
旗揚げ公演『雨ニモ負ケズ』
9月21日(月・祝)〜23日(水)の3日間、川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場にて。
前売りチケットただいま発売中!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=65627
公演の詳細は下記アドレスよりご確認ください。
http://company-ma.com/archives/1156

yukkyさん情報
ツイッターアカウント : @__yukky__
今後こちらでも映画イラストをぼちぼち公開していく予定とのこと。ぜひチェックしてみてくださいね!


クラウドファウンディングご協力のお願い
映画祭ではクラウドファウンディングも行っております。
活動内容を充実をさせるため、皆様のご支援をお願い申し上げます。
JapanGivingのサイトへ: http://japangiving.jp/p/2293

⦅おまけ⦆
DSC_0156-001.JPG
この一杯のためにがんばってきました。
カンパーイ☆

posted by シネマウマ at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年11月30日

【映画祭レポート (2014.11.3 アルテリオ映像館A)】『野良猫ロック 暴走集団'71』ついに藤竜也さん登場!白鳥あかねとのほのぼのトークにお客さんもみな笑顔!2014年の映画祭いよいよフィナーレ!

午後は、10月30日から続く企画「スクリプター・白鳥あかねの映画人生50年+SPECIAL」の最後を飾る作品『野良猫ロック 暴走集団 '71』の上映がありました。上映終了後は、お客さまも、映画祭スタッフ(特に女性スタッフ)も心待ちにしていた、俳優・藤竜也さんが登場!

SIF_67640131.JPG

藤さんは10月25日と11月1日に上映した『私の男』、本日午前に上映された『ションベン・ライダー』、さらに昨年上映した『愛のコリーダ』にも出演されています。本作ではヒッピー集団のメンバー“マッポ”を演じた藤さんと、スクリプターを務めた当映画祭代表・白鳥あかね。どんなトークが繰り広げられたのでしょうか。

「おたがい青春でしたね…。」
44年前、スクリプターとして、役者として、それぞれの立場でこの作品の制作現場で仕事をしていたお二人。
当時の様子を語ります。

SIF_66960087.JPG

白鳥「ものすごくしんどい映画だった。夜も眠れない。鉱山みたいなところでドンパチやってるシーンのときはお昼ごはんが食べられない。藤田敏八監督は自分が夢中になると時間の観念がない人で、スタッフは疲労困憊。みんなおなかが空いてるのにいつまでも撮ってるから、スタッフがお昼ご飯を食べたのは夜8時頃。藤さん覚えてました?」
藤さん「全然覚えてないです。」
白鳥「俳優さんてすごいですよね。わたしなんかよくスクリプターができたと思うくらい、撮影の中身はほとんど覚えてない。撮影期間は20日間くらい。日活はお金がない会社だったから少ない日数の中で詰め込んでやるわけです。スタッフが若いからがんばれたけど…あのときは藤田監督を鬼だと思いましたね…。」

藤田敏八監督は、なぜ“パキさん”と呼ばれているのか
 “パキさん”の愛称で親しまれていた藤田監督。不思議な呼び名の由来、気になります…。
藤さん「あの方はなんでパキさんて呼ばれるんですか?」
白鳥「国籍不明な雰囲気の人柄から、助監督になってすぐについたあだ名が“パキスタンの皇太子”。縮めて“パキさん”。」
藤さん「(日活の監督は)みんなユニークな監督でしたね。パキさんなんてほんと、得体が知れなかったもんなぁ…。」

SIF_67090092.JPG

濃いキャラクターの俳優たちと…

SIF_66950086.JPG

 席の横に飾られた『野良猫ロック 暴走集団'71』のポスターを眺めながら、「ほとんど死んでますよ、みんなね。すごいなー、この死亡率は。男で生きているの僕だけですよ」と藤さん。共演した俳優さんたちの多くは他界されています。藤さんから見た、個性的な共演者たちの印象とは…。

白鳥「久しぶりに観たけど、本当に不思議な映画ですよね。俳優さんたちも不思議。」
藤さん「原田(芳雄)さんは不思議な人でしたね。(映画の中で)どてら着てますよね。なんでどてらなんだろう…、僕には理解できなかったな。とんだ発想を持った、頭のいい方なんだと思いました。どてらだけで尊敬しちゃった。」
観客(笑)
藤さん「地井(武男)さん、散歩の番組(テレビ朝日の「ちい散歩」)あったでしょう、青年時代からあのとおりの人でした。とってもいい人。それから…安岡力也、彼は美しい青年でした。信じられないくらいハンサムで、勝てっこない。唯一勝てたのは腕相撲でした。みんな、仲良かったねぇ…」
白鳥「濃いキャラクターの人が集まってるから、今観ても面白いですよね。」

藤さん「郷^治とはすごく仲が良くてねえ…。僕が日活に入ったのは昭和37年。その2年後くらいに小林旭さんの映画『渡り鳥シリーズ』をリメイクしたテレビドラマに一緒に出たんですが、その頃から私生活でも仲良くなって。」
白鳥「気持ちいい青年でしたねえ、兄貴(俳優の宍戸錠さん)とちがって。」
観客(笑)
藤さん「いや、兄貴もいいですよ。僕より先輩だけどやっぱり仲良くしてもらって。ある日、“これからはミュージカルの時代で英語も話せないとダメだ”って言われて、錠さんと一緒に半年間、青山にタップダンスを習いに行ったことがあります。英語も習いに行きました。そのころ日活の俳優はみんな努力していました。実にならなかったけど…。」
観客(笑)

「ところで、こんな話してていいの?全然映画の話してないじゃない。」
共演者の話から、日活の俳優たちの話題へ。藤さんがタップダンスを習っていることを聞きつけた小林旭さんが、こっそり猛特訓して、すっかりモノにしてしまったことや、白鳥が『渡り鳥シリーズ』でスクリプターをしていたときに、前の場面と違う色の靴下をはいてきた小林旭さんを注意して、はき直させたというエピソードなど、話題は『野良猫ロック』からどんどん広がっていきます。
脱線モードを気にした藤さんに、「映画の世界で生きるとはどういうことなのか、みなさん聞きたいのだから、いいんですよ。」と白鳥。「スクリプター・白鳥あかねの映画人生〜」の企画は、白鳥がスクリプターをつとめた作品とそのゆかりの人とが、作品以外にもその時代のことや、当時の映画界の様子などを語る場でもあります。まるでどこかのバーでグラス片手に、白鳥あかねとゲストが思い出話に花を咲かせているところに居合わせたようなトークショーなのです。ユニークなエピソード数々に、会場は笑いが絶えません。

SIF_67320112.JPG

「何十年たった今でもこうして藤さんと普通に話せるように、ほかの映画会社と違って俳優とスタッフとの垣根がなく、わきあいあいとして不思議な雰囲気だった。」と白鳥。今日こうしたトークショーが開けるのも、そんな“日活”という会社の雰囲気があったからかもしれません。

SIF_67700136.jpg

白鳥「今日は、わざわざ藤さんにしんゆりに来ていただいて光栄です。お客さまのいきいきとした顔を見ていると、本当によかったなあと思って…。私も長生きしてよかったなあと思います。」

「なんか、聞いてみたいことあります?」
と、藤さんが促す形で観客席との質疑応答コーナーがはじまりました。
その一部をご紹介しましょう。

SIF_67600128.jpg

Q.いろいろと体を鍛えられていると聞いたことがあるのですが、今も続けていらっしゃるのですか?
藤さん「今も週3日くらいやっています。今はもう伸ばさないと屈めなくなったり、単純な動きができなくなる可能性があるので、ストレッチなどを主にやっています。」

Q.英語も続けていらっしゃるんですか?
藤さん「ついこの間、“4ヶ月リスニングマラソン”を終えたところです。でも終わってから生の英語のニュースを聞いてみても、進歩してるのかなぁと思うんだけど…。でも、とても楽しいです。」

Q.藤さんが出演される作品に対して、奥様(元女優の芦川いづみさん)は批評とかされますか?
藤さん「僕の妻は、全ての作品に対して“すてき!”としか言いません。もう、それに支えられていますよ!」
このお答えには会場から大きな拍手が起きました。

SIF_67650132.jpg

これまでに共演した女優について
質疑応答ではほかにも、藤さんに「本作で共演された梶芽衣子さんと、『私の男』で共演された二階堂ふみさんについてのご感想をお聞かせください」という質問もありました。

「梶さんは、40年前の彼女が今出てきても、おそらく通用しますね。ものすごくきれいで、モダンな感じでした。目つきがアップになったときの目の強さなんて、なかなか今ではいないくらいインパクトがありました。」

野良猫ロック 暴走集団’71(02).jpg のコピー.jpg
ⓒ日活

「二階堂さんは得ですね。何もしなくても雰囲気が饒舌なんですよね。セリフがなくても意味ありげな…。普段は高校生くらいの普通の女の子ですが、芝居になると、出してくるものがものすごく強い。そういう人っているんですね。寡黙でも饒舌。感心しました。」

私の男main.jpg

なるほど。梶さんと二階堂さん、1970年代と2010年代、それぞれの時代にスクリーンの中で強い存在感を放ち、観客を魅了しているという点がよく似ていますね。

そろそろトークも終わりに近づいてきました。
白鳥「スタッフと俳優さんという立場にかかわらず、同じ釜の飯を食ってきた仲間というのは、青春を一緒に生きてきたというイメージがありますよね」
藤さん「そうですね。」
白鳥「特にパキさんみたいな監督の下、お昼も食べさせてもらえないような過酷な状況の中で、ものをつくっていたということは、今考えるととても得難い経験だったなあと思います。藤さんが今でもいきいきと活躍されているはすごくうれしいし、しんゆり映画祭のお客さまが、みんなこんなに笑顔で迎えてくれて喜んでくださるというのは、わたしもこの仕事をやっていてよかったなあと、つくづく幸せに思います。」

シネマウマも客席のみんなの笑顔が忘れられないウマ!
ということで、今年の最後の回もシネマウマが藤さんにプレゼントを渡しました。
そして、満員の客席からの大きな拍手に包まれながら、藤さんと白鳥あかねがゆっくりと会場を後にしました。

SIF_67960154.JPG

さて、トークの中で藤さんからもお話がありましたが、
来年2015年4月より公開の北野武監督の最新作『龍三と七人の子分たち』は藤さんが主演されております。
また、テレビでも4月からはじまる時代劇ドラマで主演をされているとのこと。
楽しみに春を待ちましょう!

第20回しんゆり映画祭に来てくださったみなさま、
本当にありがとうございました。
外はすっかり寒くなり、新百合ヶ丘も大きなクリスマスツリーやイルミネーションが街を彩る季節になりました。
風邪には気をつけて、冬もたくさん映画を楽しんでくださいね。

→午前のプログラム『ションベン・ライダー』のレポートはこちら


posted by シネマウマ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

【映画祭レポート (2014.11.3 アルテリオ映像館@)】『ションベン・ライダー』映画監督・細野辰興さんが助監督時代に見た、相米慎二監督と子役たち。

20回目のしんゆり映画祭もいよいよフィナーレ。映像館では70年代、80年代を代表するユニークな映画監督の作品をフィルム上映で観られる上に、貴重なお話を楽しく聞けちゃうトークショーで盛り上がりました!

午前は日本映画大学との共催企画、「子どもと映画制作シンポジウム」の前半がありました。最初の作品は相米慎二監督の傑作『ションベン・ライダー』。子どもを主役にし、演出した映画として今回の企画に絡めて上映しました。上映後は同作の助監督で日本映画大学准教授でもある細野辰興監督をお招きしてトークイベントも開催。

SIF_66010028.jpg

細野監督は、『セーラー服と機関銃』(81)、『ションベン・ライダー』(83)、『東京上空いらっしゃいませ』(90)の助監督としても相米組の現場を経験されています。当時を知る細野監督ならではの、とっておきのエピソードが次々と語られました。

※「子どもと映画制作シンポジウム」後半(小劇場)のレポートはこちら

およそ30年ぶりに『ションベン・ライダー』をご覧になってトークに臨まれた細野監督。開口一番、「みなさん、この映画、話の流れはわかったんですかね?(笑)ここまで編集で切っていたんだと、久々に見てちょっとショックを受けました」とのコメント。実際に撮影されたのはなんと、およそ3時間40分を越えるほどの長尺だったそうですが、そのほとんどが編集でカットされ、結果的には118分という尺に収まっているそうです。

SIF_65990026.jpg

「『ションベン・ライダー』の撮影現場で何が起きていたのか?」相米ファンならば、知りたいところ。まずは、主役の子役たちはどういう様子だったのか、お聞きしました。

「当時、主演の子どもたちは、夏休みの体験談のようなノリで、へこたれずに走り回ってやってましたね。相米監督は、現場で指示をしない人として有名。ほったらかして『いつまで同じことやってるんだ』とふいっとどこかへ行ってしまう。そして戻ってきて『まだ同じようなことやってるのか』。子どもたちとじゃれてはいたけれど、大体そんな感じでしたね。ラストカットを撮った後は、子どもたちに川に投げ込まれていましたよ。ざまぁみろと思いながら、私もそれを見てましたけど(笑)」
相米監督ならではの演出方法や、役者との接し方が垣間見えたエピソードでした。

syonben.jpg

そして相米監督の現場の特徴で有名なのが、キャメラの長回しや、何度もリテイクを重ねて撮影に臨むといったあたり。『ションベン・ライダー』の時はどうだったのでしょうか。

「一番語り草になっているのは、多分、名古屋の熱田神宮の近くの貯木場のシーン。みんなワンシーンでどんどん飛び込んでいく。あれなんか、典型的なシーンじゃないですか。朝から夜まで撮影で、前日は何度もリハーサルを重ねていた。」

ワンシーンワンカットの撮影開始から終了まで、キャストもスタッフも一斉にぞろぞろと動いていくのが常だったという現場の様子を「運動会のような現場だった」と振り返った細野監督。「クレーン移動が多く、メイクさんも衣装さんも総出でクレーン車を押すこともあって、みんなで撮影を進めた、このカットで一回OKがでれば終わる、という一体感のようなものはあった」とのこと。

スタッフの大変さや相米組ならではの現場の雰囲気も伝わってくるお話でしたが、細野監督がはじめて助監督として正式に就いたのが本作。相米組のおもしろかったところをさらに一つ挙げていただきました。

「撮影もおもしろかったけど、仕上げがおもしろかった。先日逝去された編集の鈴木晄(あきら)さんが当時、脚本通りにつないだ最初の順繋ぎのラッシュは、3時間40分にもなっていた。それを初めて見たとき、新しいアクション映画ができたなととても驚いたことを覚えている」と語った細野監督。もう、その3時間40分の順繋ぎのフィルムはどこでも見られないとか!映画ファンとしては、ぜひ見てみたいですね・・・。

細野監督から見た、相米慎二という映画監督とは。「相米さんは、流ちょうにものをしゃべるタイプではない。冗談抜きで、ウーとかアーとか言うし、大人とはあまり会話をしたがらないタイプのような感じだった。
相米監督が現場で指揮官という感じではなかった。だからこそ、みんなでなんとかしてやらなきゃいけないな、という雰囲気になってくる、そういった雰囲気を作るのがうまかった監督だったなと思います。

自らを『普通の監督じゃないからな』とも言っていた。だからこそ、こういった映画ができたと思う、相米さんらしい映画だなと思って今日もこの作品を見ていた。撮ろうと計算して作ろうと思って作れる映画じゃない。そういった面白さがあると思う。」

そんな相米組での経験を経て、後に細野監督の作品に影響はあったのでしょうか?

「直接的には自分ではわからないけれど、映画のフレームに入っていなくてもいいんだという部分に関しては、平気にはなりましたよね。自分が何本か撮った時に、フレームの外みたいなものを利用して撮っているというのがわかった。『ションベン・ライダー』を今日見て思ったけれど、ほとんどフレームの中には映っていない。でも、観客にあるものを意識させるということが起きている。それは偶然か必然かわからないけれど、もしかしたら影響あるかもなと今日気づきましたね。」

お客様からも質問が。「本編の中で、子どもたちが歌い踊るシーンが多く出てきますが、あれは当初から決まっていたのか?」という質問には「当初から決まっていた、近藤真彦さんの『ふられてBANZAI』その歌ばっかり大人も子供も現場で歌っていた記憶がある」という回答でした。

SIF_66140034.jpg

細野監督だからこそ知る、『ションベン・ライダー』の制作秘話、そして相米慎二監督の貴重なお話。充実した時間となりました。お客様も大変熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

SIF_66280045.jpg

細野監督は2015年1月8日より、舞台『スタニスラフスキー探偵団』で原作・演出を手掛けられます。こちらも楽しみですね!



SIF_66400053.jpg

細野監督、本当にどうもありがとうございました。

→午後のプログラム『野良猫ロック 暴走集団’71』のレポートはこちら


posted by シネマウマ at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年11月27日

【映画祭レポート(2014.11.3 アルテリオ小劇場)】「映画祭20周年記念セレモニー」「子どもと映画制作シンポジウム」

いよいよ最終日を迎えました。アルテリオ小劇場レポートです!

1-DSC_2811.JPG
風船シネマウマが左上に!

午前中は本祭プログラムとは別に、「KAWASAKIしんゆり映画祭20周年記念セレモニー」が行われました。

1-DSC_2777.JPG
朝から準備

最終日で疲労のたまる映画祭スタッフたち…しかし、そんな疲れを吹っ飛ばすシネマウマアーティスト(映画祭スタッフ)の力作が朝イチで到着!

それは…

1-DSC_0061.JPG
「招福!シネマウ舞」


間に合って良かったウマ!ちょくちょくブログに登場する後ろの彼女は進行さん。シンクロだウマ〜

「シネマウ舞」で福が招かれ気分ハッピー、そしてセレモニーの準備も整いました!

1-DSC_2797.JPG
準備万端

1-DSC_2834.JPG
式典開始。NPO法人KAWASAKIアーツ理事長・藤田朝也氏の挨拶で始まりました

1-DSC_2839.JPG
川崎市長・福田紀彦氏

1-DSC_2830.JPG
左から日本映画大学学長・佐藤忠男氏、公益財団法人川崎市文化財団理事長・北條秀衛氏、麻生区長・多田昭彦氏、川崎市長・福田紀彦氏

1-DSC_2914.JPG
ご来賓の挨拶に続き、当映画祭代表・白鳥あかねが挨拶しました。映画祭スタッフ、シネマウマもズラリ勢ぞろいしました。

1-DSC_2924.JPG
白鳥さんの挨拶

1-DSC_2902.JPG
1-DSC_2907.JPG
この20年を振り返る白鳥さんの挨拶に、スタッフも感慨深い表情

1-DSC_0025.JPG
続けて、 KAWASAKIしんゆり映画祭顧問・武重邦夫氏の挨拶

1-DSC_0038.JPG
司会シネマウマもがんばりましたウマ☆

1-DSC_0055.JPG

「20周年」…20年経ったんだウマ。成人式だウマ。式典で、スタッフの気持ちも引き締まったひとときでした!



さて、今年のアルテリオ小劇場の最後を飾ったのは、「子どもと映画制作シンポジウム」後編。

1-DSC_0076.JPG

当映画祭の「ジュニア映画制作ワークショップ」が15年目を迎えた今年、全国のさまざまな「子どもと映画制作」の取り組みを紹介する目的で開催。映画制作者として舞台挨拶に来てくれた小・中・高校生、大学生のみなさんで壇上は盛り上がり、真剣ながらも笑いの絶えない、にぎやかなシンポジウムとなりました。

まず、「北海道コミュニティシネマ・札幌」制作の『茜色クラリネット』の上映、そして札幌の放送局が制作時の模様をレポートした番組の上映後、舞台挨拶が行われました。

※『茜色クラリネット』公式HPはこちら

1-DSC_0146.JPG

登壇者は北海道コミュニティシネマ・札幌代表で、『茜色クラリネット』プロデューサーの中島洋さんと、監督の坂本優乃さん(高校生)、主演の佐藤楓子さん(中学生)、録音の鈴木智美さん(大学生)、演出部の白田明花さん(高校生)、中島魁莉くん(高校生)、福田さとみさん(高校生)。

1-DSC_0123.JPG
中島洋さん

はじめに中島さんからこの作品を制作するに至った経緯の説明がありました。『茜色クラリネット』は、KAWASKIしんゆり映画祭の「ジュニア映画制作ワークショップ」をモデルに、2005年に札幌でスタートしたワークショップの集大成として制作されました。

続いて、制作した中学生から大学生までのみなさんが一人ずつ舞台挨拶。制作時は受験生だったという人もいて、撮影の合間に勉強していたという人もいたようです。

1-DSC_0130.JPG

「ひと夏をかけ、(札幌)琴似地域のみなさんと一体となって作り上げた作品を、多くの方に見ていただけてうれしいです」(坂本さん)
「昨日の東京公開に加え、このような場で上映されて本当にうれしいです。私たちの青春が詰まった映画です。何か心に残るものがあればうれしいです」(佐藤さん)。

中島さんによると、監督が主演を決める際、候補者から絞るのにとても悩んだが、最後は佐藤さんの笑顔が決め手となった、彼女の笑顔で現場が明るくなった、とのこと。

1-DSC_0165.JPG

「この映画を通して、子どもには『子どもが求めるものに対して、大人はプラスにして返してくれる』ということを気づいてほしい。大人には『自分が求めているものや、見ているものに一途な子どもの気持ち』を忘れないでいて欲しいと思います」(鈴木さん)
「助監督の仕事で、現場を明るくしながら楽しい雰囲気で作りたいと思っていたので、それが映画にも表れていたらいいなと思います」(白田さん)
「琴似はとっても面白い街で、都会の雰囲気がありながら、少し進んだら古い建物があったりするので、そんな街の雰囲気を楽しんでいただけたらと思います。みなさんの心に映画の記憶が残ってくれると嬉しいです」(中島さん)
「指導監督から『助監督は現場のリズムをつくるべきである』とアドバイスされ、明るい現場にするということに加え、良いテンポで現場が進むよう頑張りました」(福田さん)

1-DSC_0147.JPG

今回はクラウドファンディングによる支援で上京し、単に舞台挨拶だけではなく、東京在住の映画監督に作品を見てもらい、客観的な視点で意見・感想をもらうワークショップを実施したとのこと。中高生にとって、制作時には気づけなかった指摘や意見にとても刺激を受けたそうです。

最後には、恒例のシネマウマが登場!プレゼントが配られました!
1-DSC_0176.JPG
シマ模様が本物のフィルムでできているのに少々驚いた様子。

1-DSC_0184.JPG
さすが、映画を制作してきたみなさん!フィルムに興味深々☆

『茜色クラリネット』のみなさん、北海道からお越しいただき、ありがとうございました!



続いて、「こども映画教室」制作の『不思議なあめ』の上映。その後、舞台挨拶が行われました。
※「こども映画教室」のHPはこちら

登壇者は、こども映画教室代表の土肥悦子さん、『不思議なあめ』を制作した小学生(けいじゅくん、さといさん、ゆずさん、りんさん)、スタッフの中井聖満(きよみ)さん、鈴木愛理(えり)さん、馬場祐輔さん。

1-DSC_0254.JPG
土肥悦子さん

映画上映中は、みんなで大笑いしながら見ていました。さあ、出番ですよ〜☆
1-DSC_0201.JPG

はじめに土肥さんより登壇者の紹介がありました。今回登壇のメンバーは、活動時『オレンジチーム』だったということで、この日のドレスコードはオレンジ色だったそうです。メンバーのけいじゅくんが、オレンジ色の飴のかたちのバッジを全員分作ってきてくれました。

この映画で重要な役割を果たしていた「あめ」がかわいいバッジに!
1-DSC_0205.JPG

「寝ているシーンを、もっと寝ているように演技できればよかった」(けいじゅくん)
「大きいスクリーンで見たから、本格的に見られた」(さといさん)
「大きいスクリーンで見ると恥ずかしかった」(ゆずさん)
「やっているときはやりきった感があったけど、今見ると恥ずかしい」(りんさん)

1-DSC_0213.JPG
1-DSC_0230.JPG
はじめはみんな照れくさそうにしていましたが、少しずつ感想や制作時の裏話を話してくれました。

1-DSC_0240.JPG
スタッフの鈴木さん、馬場さんも制作裏話を披露

そして、いつもの!シネマウマが登場〜♪
1-DSC_0246.JPG
シネマウマからキャンディーが付いたバルーンアートのお花のプレゼント!

1-DSC_0252.JPG
やっぱり囲まれるシネマウマ

1-DSC_0253.JPG
シネマウマ、大丈夫か(笑)

ちょっとシュールな?物語展開、一度聞くと忘れられないラストの歌…にぎやかで自由な発想のつまった本作、次作にも期待したいですね!オレンジチーム『不思議なあめ』のみなさん、ありがとうございました!



プログラム後半は、中島洋さん、土肥悦子さんとシンポジウム。司会はKAWASKIしんゆり映画祭のジュニア映画制作ワークショップの運営を担当している山本が担当しました。

1-DSC_0267.JPG

まず、土肥さんから「こども映画教室」について紹介がありました。土肥さんは石川県金沢市の映画館「シネモンド」の代表を務めており、「こども映画教室」は2004年に金沢でスタート。任意団体として「こども映画教室」を立ち上げ、金沢以外では昨年初めて横浜で開催。以後、東京、東北などでも開催されています。対象は小学生で、1〜3日間で映画制作を行っています。
※経緯については「映画祭スタッフのイチオシ映画紹介!」も併せてお読み下さい。→こちら

1-DSC_0265.JPG

KAWASKIしんゆり映画祭では、2007年に様々なワークショップ作品を紹介した際、金沢で制作された『I love you』という作品を紹介。この作品が「こども映画教室」の記念すべき第1作目だったのですが、当初、土肥さんは小学生が“映画制作”をすることにはあまり積極的ではなかったとのこと。あるとき、映画監督の中江裕司さんの「やってみようよ」との提案で制作してみたところ、とても面白いものが完成したのが始まりなのだそうです。

1-DSC_0275.JPG

続いて中島さんが、札幌での活動について紹介。札幌では「ジュニア映画制作ワークショップ」を参考に始まりましたが、開始にあたり、予算等について行政に相談した際、(この年の)活動は札幌市内のモエレ沼公園(彫刻家イサム・ノグチが設計した公園)でやってほしいという条件があったそうです。

川崎の「ジュニア映画制作ワークショップ」では作品の傾向として“日常の身近なテーマ”が多いのに対し、札幌では活動場所が限定されたことで、中学生が「公園を魔法の学校に見立てよう」といった発想が登場。中島さんは「場所を限定することで想像力が広がる」と感じ、それ以降場所を限定して活動を行ってきたとのことでした。

途中、金沢の「こども映画教室」の取り組みを紹介したNHKのVTRを観賞し、その後、山本から「ジュニア映画制作ワークショップ」の活動日程などを紹介。また、客席でご覧になっていた「こども映画教室」参加者のご両親からも、感想などを話していただきました。

1-DSC_0289.JPG

中島さんから、どの活動においても、家、学校(大人であれば職場)以外のサードプレイス(第三の居場所)をどうやって作れるかが大事なことで、そうしたサードプレイスの場づくりは(ワークショップに限らず)文化活動がとても有効であるということを発信していきたい。そして、地域の中に入っていって活動することもとても大切なことだ、というお話がありました。

客席からは、「ワークショップに参加した子どもたちが、どのような道に進んでほしいと思いますか?」という質問がありました。これに対し土肥さんは「活動を通して映画館に足を運んでくれるようになればうれしいが、映画人のたまごを育てたかったわけではなく、映画の道に進んでほしいといったこともあまり考えていなかった」との回答。

中島さんも同じく「映画人を育てるためにやっているわけではない」としながら、「ワークショップの経験者から映画の道に進みたいという子が出てきたとき、そこはきちんとフォローしてあげなければならない。いつか見た映画は、いずれ頭の記憶としては忘れてしまうが、心の奥底の記憶は忘れないでいるように、私たちの“場づくり”は、子どもたちへ心の記憶を作っている場なんだと思う」との回答でした。

1-DSC_0271.JPG

制作過程や場所、参加者の年齢など、それぞれ環境が異なりながらも、「子どもと映画制作」に携わる関係者同士で多様な意見が交わされたこのシンポジウム。映像教育の今後を考える上でとても参考になったのではないでしょうか。また中島さんの「サードプレイスの場づくり」の話は、市民ボランティアの映画祭スタッフにも心に残るものでした。登壇者の皆さま、会場に足を運んでくださった皆さま、ありがとうございました。

1-DSC_0065.JPG

以上、11月3日のアルテリオ小劇場レポートでした!
posted by シネマウマ at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年11月23日

【映画祭レポート(2014.11.2 アルテリオ小劇場)】ジュニア映画制作ワークショップ発表会&澤登翠さんの活弁上映会

 小劇場レポートです。

 

 11月2日は中学生たちの晴れ舞台、

ジュニア映画制作ワークショップ発表会の日でした。

 

 朝からたくさんのお客さまたち。

 今年で15年目のジュニア映画制作ワークショップは、夏休みに中学生たちが集まり、プロの指導のもと、脚本作りから撮影、演技、編集まで、映画制作のあらゆる工程を体験しながらチームで1本の短編作品をつくる活動です。いまや全国的に注目されている活動で、子どもたちを対象にした映画制作講座を開く団体や学校が各地に増えています。



 開演前は劇場入口に飾られた中学生による映画制作レポートを、お客さまたちがじっくりと眺めていました。今年はポスターやチラシも手づくりして、広報も中学生たちが自ら行いました。


image.jpg


image.jpg


image.jpg


image.jpg



ご家族やお友だちをはじめ、この活動に興味をもって来てくれた方々で小劇場の客席も埋まりました。


SIF_6163.JPG


 

今年の作品は『未来選択』。総勢23人のチーム「黄色いペンギン」が力を合わせてつくった“時空を超える”SF作品です。


DSC00615.JPG


〜ストーリー〜

 運動も勉強も人づきあいも苦手な中学生の少女の前に、ある日突然現れた未来人。彼は「未来選択」というサービスを仕事にしているようで、少女も彼の売り文句に乗せられ、数々の未来のシチュエーションから自分の理想のものを選び、さっそくタイムスリップ!

思い通りの自分を手に入れたかに見えたものの、それはそれでなかなか大変なようで…。

 

 上映終了後、舞台の上には「黄色いペンギン」のメンバーと、今年も講師を務めた映画監督で日本映画大学講師の熊澤誓人さんが登場。同じくメンバーの中学生による司会で舞台挨拶が始まりました。


SIF_62350009.jpg


 まず、撮影中何をしたか、何を感じたかを含めた自己紹介を中学生が一人ずつ話しました。

続いて熊澤さんが、今年の活動を振り返りました。

SIF_62540028.jpg

 

 舞台挨拶が終わると、今年のメイキング映像の上映がありました。

 講師とともに中学生の技術指導にあたっていた日本映画学校の卒業生で、現在は映像の仕事で活躍中の方が、夏休みの中学生たちの奮闘ぶりを、楽しく魅力たっぷりのドキュメンタリー風にまとめあげた、こちらもかなりの力作です。中学生たちの珍プレー・好プレーに会場からも温かい笑い声が…。

 

 メイキング映像の上映終了後、再び中学生たちが舞台へ。


image.jpg


 司会はワークショップのOBの高校生にバトンタッチ。さらなる制作秘話を中学生たちから引き出します。

 質疑応答コーナーもあり、客席からの質問に中学生たちが答えました。質問だけでなく、励ましとお褒めの言葉をかけてくださる方もいました。

 

 映画の中の印象的なセリフ、未来を選択した少女をタイムスリップさせるときに、未来人が言う決まり文句を「チェックイン」にした理由についての質問に、脚本担当の中学生が、「未来に行く場面を想像すると、ホテルに行く情景が浮かんだから」と答えました。そこから派生して、未来から現在に戻る場面に“リセットリターンチケット”なるものが登場することになったようです。ユニークな発想にSF作家の才能がうかがえる!?

 未来人役の中学生はこのセリフを言うときなどの役づくりでは、「カッコつけるのが難しかった」とのことでした。普段なかなか言わないこと、やらないような態度を体験できるのも映画づくりの醍醐味です。


SIF_62960070.JPG

 

 「みなさんは普段どんな映画を観ていますか?」との質問もありました。

 ワークショップに参加する中学生たちは、観るのもかなりお好きなようです。

 ジュニア映画制作ワークショップ参加中学生たちから出た「観た映画」、「好きな映画」、そして「おすすめ映画」は…

『レ・ミゼラブル』『英国王のスピーチ』『ゼロの焦点』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

『グラン・トリノ』『桐島、部活やめるってよ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『インデペンデンスデイ』など…。アニメ系も人気で、『サマー・ウォーズ』、ジブリ作品は特に人気があるようです。

 

 映画監督をなさっているというお客さまからは、カット割がすばらしく、将来自分の仕事が脅かされてしまうと思うほど、大人顔負けの仕事をしているとのご感想もいただきました。

 このワークショップで映画づくりをしながら、中学生たちは映画制作を覚えるだけでなく、人としても成長しています。

 ワークショップ体験者の中には、中学校を卒業後も映画祭のボランティアスタッフとして、今度は中学生を支える立場になったり、野外上映会やこの本祭をつくる立場になる人もいます。年の離れた映画祭スタッフにもひけをとらない活躍をみせる彼ら、彼女らの頼もしさを見ていると、大人たちとプロフェッショナルの仕事に触れるこのワークショップの意味がとても大きいものなのだと感じられます。

 

 発表会の最後は日本映画大学学長の佐藤忠男さんによる講評がありました。佐藤さんもこのジュニア映画制作ワークショップを長年見守り続けてきた一人です。


SIF_63440117.JPG


 このワークショップについては、映画大学の学生が実習で使うものと同じ機材で、学生が撮るのと同じスタイルで制作し、シナリオも自分たちで書くという本格的な活動であり、制作は「どんな映画なら作る価値があるのかを考える」ところから始まると説明していました。

 また、毎年作品を観ていると進歩が見えてくるので、佐藤さんご自身にとってもひじょうに勉強になっているとのこと。


 そして、中学生を支える大人たちは、ロケで場所や建物を使わせてもらう際に、町の人に交渉したりすることもあるため、自然に地域とのつながりも生まれ、町の人たちにとっても自分たちの住む地域を再発見できる機会になるとも話していました。

 ジュニア映画制作ワークショップは、そこに参加する大人たちにとっても郷土愛を育む場になっているのですね。


 さらに、この発表会のような“晴れがましい場”に子どもを立たせてあげることがとても大事なのだということも話していました。


 今年の作品『未来選択』については、「“人を不幸にすることで自分が幸せになる”というものの考え方の出発点など、今まで以上にテーマが明確で、哲学的になっていた」とのことでした。

発表会が終わるとロビーで観にきてくれたお客さまとの交流もありました。


1-DSC_2416.JPG


そして、3階で軽く打ち上げ。中学生たち、おつかれさまでした。


1-DSC_2466.JPG



 ジュニア映画制作ワークショップのブログにも、今回のレポートが公開されました。

こちらもぜひご覧ください。

 また、内容充実の公式サイトもあります。
 こちらでは、中学生の素顔や講師、スタッフの話もたっぷりお楽しみいただける番組「ゆるふわトーク」やポッドキャストもありますので、よろしくウマ!



小劇場、午後のプログラムは今年で7回目となる、活動弁士・澤登翠さんの活弁上映会が開催されました。


ロビーではグッズ販売も。「買うなら今!」な充実した品揃えです。

image.jpg


今年の作品は『沓掛時次郎』


長谷川伸原作の股旅物です。この戯曲はなんども映画化されていますが、今回上映されたのはその第1作目です。昭和の初めの1929年、今から85年前に作られた作品です。このブログをお読みになっている人はこの映画より後に生まれた人がほとんどだと思います。主人公、沓掛時次郎を演じるのは大河内傅次郎です。

沓掛時次郎001.jpg
〜ストーリー〜

沓掛の時次郎は、一宿一飯の義理により博徒の三蔵を切りつけるが、死に際に身重の女房と息子を伯父のもとに届けてほしいと頼まれる。その三蔵の遺志を守って、遺された三蔵の妻と息子の三人で旅をする…。


しんゆり映画祭の活弁上映は生演奏付き。

image.jpg


今年はミュージシャンの湯浅ジョウイチさんがギターと三味線を演奏し、股旅物の雰囲気をもりあげました。今回はお一人での演奏ですが、湯浅さんは無声映画の伴奏楽団「カラード・モノトーン」を結成され、全国各地の活弁上映会で演奏を続けています。その楽団も今年、私たち映画祭と同じ20年目を迎えたそうです。

澤登さんの活弁は、ほんとうに名調子です。聴いているうちに、従来の活弁からイメージするものではなく、超一流の講談を聴いているような感じでした。これに湯浅さんのギターと三味線が映像と活弁を盛り上げていくわけで、この雰囲気はライブでしか味わえません。素晴らしい、映像、活弁、演奏のコラボでした。

上映終了後、映画祭代表、白鳥あかねと澤登翠さんの対談がありました。


SIF_64080180.jpg


 白鳥は、古い貴重な映画を後世に伝えていくことは大切なことで、この映画祭の目玉として今後も活弁付き上映を続けていきたいと語り、澤登さんは、この映画祭に呼んでいただくのは大変光栄なことで、しんゆり映画祭がずっと続いていき、多くの人に活弁付き映画の楽しさを味わっていただくよう努めたいと話されていました。


SIF_64780241.jpg


 シネマウマも活弁大好き!これからもずっと応援していくウマ!


 以上、小劇場レポートでした。


 映像館レポートはこちら


posted by シネマウマ at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年11月22日

【映画祭レポート(2014.11.2 アルテリオ映像館)】「今こそ、台湾映画!」特集フィナーレへ! 映画を通して知る台湾の歴史と現在

映画祭レポート、今回は11/2(日)の「アルテリオ映像館」の模様をお伝えします。連休2日目、前日の雨は上がりました!

1-DSC_2538.JPG
秋もいよいよ深まってきました

1-DSC_2606.JPG
1-DSC_2613.JPG
フル稼働のシネマウマ〜

1-DSC_2602.JPG
あきた十文字映画祭様、NPOしんゆり芸術のまちづくり様からのお花が会期中の会場を彩りました。誠にありがとうございました!


1-DSC_2409.JPG

この日1本目は「しんゆりセレクション」より『グォさんの仮装大賞』。こちらは涙あり、笑いありの心温まる中国映画。午前中から多くのお客さまにお越しいただきました!



恋恋風塵main.jpg
2本目は『恋恋風塵』。台湾の名匠ホウ・シャオシェンの1986年の作品です。上映後、映画評論家で日本映画大学学長の佐藤忠男さんのゲストトークが行われました。

本作については、「まるで日本と変わらない。日本人を純粋にしたような…日本人を田舎に帰して、昔の生活に戻すとこうなる、というような生活が、実に、それなりの誇りを込めて描かれている。我々は見ていて気持ちがいいです」と佐藤さん。

1-DSC_2547.JPG

佐藤さんによると、「台湾映画は世界で一番日本映画に近い」そうです。本作は「自分と結婚してくれるものだと思ってた女の子が、違う男の人と結婚しちゃって泣く話。こういうところは日本と似ていると思います。つまり、婚約したわけではないが、親しく付き合っていたわけだから、当然、結婚してくれるものだとばかり思っていた。『I love you』などという決まり文句は日本語にはないが、そういう気風は、台湾も同じですね。『そういうときはちゃんと約束しておくものだ』という習慣がない」「そういうことを本人同士がハッキリさせない。『ハッキリするのは恥ずかしい』という感覚は、まったく日本と共有しております」。

また、男の主人公・アワンが兵役に出ますが、台湾映画で「兵役」が描かれる際の特徴があるそうです。それは「中途半端な青春」。「大学に行くにしろ、就職するにしろ、兵役を終えるまでは、青春時代はまだハンパな状態なんですね。若者は『一体、自分は何なんだろう』と、ブラブラしているより仕方がないという感じ。そういう青春を扱った映画が、台湾映画には多いです」。

「本作は、非常に情感豊かな…つまり生活のすみずみを非常に細やかに、愛着を持って見つめて、そして、そういうポジションで見れば、どの人もどの人もみんなそれぞれ、いい人に見える。そういう意味では、まれに見る作品であると思います」。こうした成瀬巳喜男監督、小津安二郎監督などの日本映画にも通じる、情感豊かな作品で、台湾映画は次第に世界に知られるようになったとのこと。

1-DSC_2551.JPG

ホウ・シャオシェン監督やをはじめとする“台湾ニューウェイブ”と呼ばれる世代の監督たちが、80年代に注目を集めるまでの「台湾映画」の紆余曲折について、貴重なお話が語られました。「台湾映画」の紆余曲折は、日本と中国による占領で複雑化した台湾人のアイデンティティーと密接な関係がありました。

日清戦争後の1895年から、1945年の日本の敗戦まで、台湾は日本の植民地でした。日本は台湾人に映画を作らせず、台湾人に日本語教育を徹底する強圧的な政治を行いました。映画も「『日本語を勉強すれば日本映画を観られる、だから中国語の映画を見る必要はない』と」。日本の敗戦後、中国国民党軍が台湾にやってきて、台湾人は当初、解放軍と思って歓迎したのですが、中国軍の厳しい取締りと言論統制に遭いました。その後起きた暴動をきっかけに、国民党は知識人狩りを行いました。ホウ・シャオシェン監督のヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞作『非情城市』(1989)はその当時を描いた作品だそうです。

日本の植民地化政策に続く中国国民党軍の弾圧・戒厳令で、台湾人のアイデンティティーは複雑化しました。

「台湾の民衆は、自分たちがどう生きるべきかわからなくなった。つまり日本や中国、そのどちらにも翻弄され、『俺たちはどうしたらいいんだ』ということになったわけです」。戒厳令下の生活は何十年も続き、台湾は苦難の時代を過ごしてきました。やがて87年に戒厳令が解除され、台湾の独自性や文化の開放を求める動きが生まれた頃に作られたのが、『恋恋風塵』だったと、佐藤さんは語ります。

また、劇中に使われていたある映画に関する、台湾映画史の貴重なお話も。野外上映会のシーンで流れていた映画は『あひるを飼う家』(1965)。当時、国民党政府が北京語で奨励して作らせた「健康写実路線」映画の中の最大のヒット作と言われた作品です。

佐藤さんによると、国民党政府は、一緒に本土から逃れて台湾に渡ってきた上海の映画人に、北京語で映画を作らせていました。多言語国家の中国で、映画は言語統一に大きな役割を果たしており、国家の文化を統一する意図で「トーキー映画は北京語」が必須となっていました。国民党政府は台湾語の映画には補助金を出さず、北京語の映画には補助金を出すという政策を行い、日本敗戦後にヒットしていた台湾人による台湾語の映画はほとんど無くなっていったそうです。

そんな時代に生まれた『あひるを飼う家』、実はこの映画の助監督は若き日のホウ・シャオシェン!「健康写実路線」は当時の台湾の映画批評家たちからは「健康で写実などできるわけがない」と揶揄されていましたが、「それにうまい解決を与えたのがホウ・シャオシェンたち若手監督」だったそうです。

「ホウ・シャオシェンら若手監督たちが何をやったかというと、例えば『恋恋風塵』では、家庭生活では台湾語を喋り、学校や会社、役所にいると北京語を喋っている、そういう言葉の使い分けをやりました」。

「それが映画を見る人に対して、本当に親切かどうかわかりません。片方の言葉がわからない人がいっぱいいるんですから。けれども、これは本当のリアリズムなんです。台湾の現実の生活がそうなんですから。そういう映画を作るようになってから、台湾映画の水準はがぜん、急に上がりました。つまり本当のリアリズムで映画を作ることを、80年代当時、若い監督たちはやるようになりました」。

1-DSC_2555.JPG

複雑化した台湾人のアイデンティティー、その後の文化解放の時代に生まれたホウ・シャオシェンの『恋恋風塵』。映画祭で上映した台湾映画『GF*BF』も戒厳令時代から民主化に向かう時代の台湾を舞台にした物語でしたが、佐藤氏のお話は今年の特集「今こそ、台湾映画!」を総括してくださるような、聞き応えのあるものでした。

まだまだ、お話を伺いたかったのですが、お時間が来てしまい…。プレゼンターのシネマウマが登場ー!
1-DSC_2570.JPG
1-DSC_2576.JPG
シネマウマ、今回は喋りました。「佐藤先生、いつもありがとうございます。また来年もぜひいらしてください♪」

1-DSC_2589a.jpg
1-DSC_2585a.jpg
トーク終了後も、話に花が咲いていました。佐藤さんを囲んで質問したりサインをお願いするお客さまの輪が広がり、映画祭らしい光景でした。

1-DSC_2596.JPG

佐藤さん、今年もお話ありがとうございました!



3本目は、今年の目玉「いまこそ、台湾映画!」特集のラストを飾る『南風』

1-DSC_2598.JPG

おかげさまで満席の大盛況!上映後は萩生田宏治監督をお招きし、ゲストトークを行いました。

1-DSC_2630.JPG

本作は台北から日月潭まで、台湾の美しい海岸線の風景をたどりながらサイクリングしていく物語ですが、監督も大学時代に北海道一周や、四国、九州などをサイクリングしたことがあったそうです。

とはいえ、日本=台湾合作の監督を務める不安はなかったのでしょうか?萩生田監督は、林海象監督の『わが人生最悪の時』で助監督を務めていたとき、永瀬正敏さんの相手役が台湾の俳優さんであったり、『海ほおずき』(1996)で唐十郎さん、原田芳雄さんなどと台湾ロケをしたりと、日台合作での映画制作は経験があり、「今回、自分が台湾に行って、何ができるかをチャレンジしたいと思って」監督を受けたそうです。

台湾では、大学4年生ぐらいになると、台湾を1周するのが流行っているそうです。「『自分の国をちゃんと見て見たい』みたいなところが、本気であるみたいなんですよ。自分たちの国の美しい景色を、自分の足で廻って見てみたい、と。さっき、『恋恋風塵』を拝見した後の佐藤忠男先生のお話を聞いて、やっぱり、国のアイデンティティー、『自分は台湾に住んだ人としてどうしようか』みたいな意識は本当に強いんだなあと思いました」。

1-DSC_2673.JPG

ロケハンは「1ヵ月後に撮影開始」という慌しさだったそうです。カメラマン・長田勇市さんが沖縄本島より台湾に近い石垣島出身で、「7月1日〜10日の間がいちばんキレイだ」と一言。「ホントかい、と思ったんですけれど(笑)、本当にそうでした。10日を過ぎたら雨季に入って雨も降り始めるし。本当に、お昼頃になるとちょっと崩れてくるんですが、午前中の天気がものすごく、恐ろしいぐらいにキレイで」。

キャストについては? ヒロインのテレサ・チーさんは台湾では有名な青春映画『九月に降る風』でデビュー、今やハリウッド映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』にも出演する、世界が注目する女優。『南風』では天真爛漫なイメージですが、実際も役柄と似ていたとか。「喋ると、「好(ハオ)」「好(ハオ)」って。「わかった」という意味らしいんですけど。かわいくそう言うんだけど、実際、全然別のことをやる。ホントに「好」か?みたいな(笑)」。しかし、撮影当時は20代ということもあり、中学校に行って学生を観察し、10代の感覚を研究するなど、熱心な一面があったそうです。

1-DSC_2659.JPG

本作は黒川芽以さん演じるもうひとりのヒロイン・藍子と、テレサ・チーさん演じるトントンの女性同士の友情物語でもあります。女性同士の友情の描き方は、役者さんの様子を見て、また話を聞きながら演出していったとのこと。黒川さんは8歳から女優をやっていて、すでにベテラン。「現場に若い女優さんがいると、既に現場のいろいろを読めてしまう自分がいて、相手にゆずってしまって…」という、映画の藍子と同じような「仕事のできる女の悩み」のようなものを黒川さんから聞いているうちに、台本で決まっていた「30代」の設定を改めるなど、話を聞きながら演出を変えていったそう。「ほぼ順取りで、黒川さんも、だんだん、テレサとの距離やこの作品でやりたいことが出てきたみたいだったから、そういうのをスクリーンに映して皆さんにお届けしたほうが、面白いんじゃないかと思って」。

上海でも撮影経験がある萩生田監督。海外と日本の撮影で違うことは?「すごく感じるのは、もしかしたら日本の現場が一番特殊なのかなあ、と。僕らは、効率的にやるのはすごく上手。僕も、『効率的にやっていかないとこなせていけない』というところがある。ただ、ちょっと、『効率的になること』が目的になっちゃう。それは、監督が弱い、という話になるんですが、『この時間で何をやるか』を目的化しちゃうみたいなところって、もしかしたらあるのかなって」。

台湾のスタッフたちのおおらかな仕事ぶりに触れ、そう感じたとか。道に迷っても笑っているスタッフ、ビンロウを噛むと20qスピードの上がる運転手さん、普段は映画評論の仕事でよく喋るのに、ロケ交渉などの場では全然喋らずケンカして帰ってくる制作部さんなど、「なんだか、忘れられない人がすごく多い感じがあります(笑)」。

1-DSC_2687.JPG

萩生田監督は、6年前に『コドモのコドモ』を撮ってから、難しい題材を映画で伝える手ごたえとともに、伝える難しさを感じていたこともあったそうです。「『次、何やろう』と考えているときに、少し慎重になり過ぎているところが自分でも気づかずあったんですね。藍子じゃないですが、ちょっと『前に進めなくなってるなあ』という感じはあって。今回、『藍子が旅をしているそのものを撮っていこう』と思い切れたのは、やっぱり台湾の人たちのおおらかな感じ。思い切って、その場その場の発想を意外と受け入れてくれたというのがありました。『しょうがないなあ』と思ってるのかもしれないが、そういうおおらかなところで一緒にやれて、作品として乗り越えられたことは、ちょっと子どもっぽい言い方ですが、台湾の中から力をもらえたんじゃないかなと思っております」。

1-DSC_2683.JPG

お客さまからは「日本人と、台湾人のスタッフの比率はどれくらい?」(「6(日本):4(台湾)ぐらいで始めたが、撮影10日目ではなぜか台湾のスタッフが増えていた(笑)」)、「台湾、中国などアジアの国々の合作に監督として大きな意図、意義はあるのでしょうか?」(「台湾の場合、政府の文化交流事業とは別のところで唐十郎さん、林海象さんなどが一歩一歩現地と築いてきたものがある。あるなら、がぜんやる。誰かが小さくても残していかないと、という意識は仕事のモチベーションとしてある」)、などなど、次々に質問が飛び出し、活発な質疑応答タイムとなりました。

最後に、プレゼンター・シネマウマが登場♪
1-DSC_2711.JPG
1-DSC_2723.JPG
監督に握手していただいて感激ウマ☆ありがとうございました!

1-DSC_2745.JPG
トーク終了後も、萩生田監督に次々とサインを求めるお客さまの輪がロビーに広がっていました!

1-DSC_2739.JPG
萩生田監督、シネマウマ、映画祭代表・白鳥あかね、市民プロデューサー(司会)・みなと

これにて今年の台湾映画特集は終了。台湾の昔と今を映画を通して知る、大盛況、充実のゲストトークリレーとなりました。萩生田監督、ありがとうございました!



さて、ガラリと雰囲気を変え、今日のラストは『濡れた欲情 特出し21人』。白鳥あかね・当映画祭代表の自伝『スクリプターはストリッパーではありません』のタイトルにもなった逸話のある作品です。

1-DSC_2764.JPG

1-DSC_2771.JPG
「最前列、かぶりつきでどうぞ!」とご案内の市民プロデューサー

1-DSC_2755.JPG
『スクリプターはストリッパーではありません』を自ら宣伝の白鳥あかね代表。名著ですのでぜひお読みください!

以上、11/2 映像館レポートでした!
posted by シネマウマ at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年11月13日

【映画祭レポート(2014.11.1 アルテリオ映像館)】しんゆりアヤカノ最終上映、『私の男』をバリアフリーで、「東京フィルメックスinしんゆり」は海外からのゲスト、ウワサのアイドル映画『あの娘、早くババアになればいいのに』も監督&俳優陣が勢ぞろい!

小劇場に続き、映像館レポートだウマ!

image.jpg

朝一番は『怪しい彼女』。しんゆり最終上映だウマ!
駆けつけてくれたみなさんありがとウマ!
映画祭スタッフの“なりきりオ・ドゥリ”コスプレも見納め。
楽しんでいただけましたウマ!?

image-8a362.jpg

2番目の上映は初日のイオンシネマでも大好評の『私の男』副音声付き上映。

image.jpg

10月25日の初日は熊切監督を迎えて盛況だった『私の男』。今年、数々の賞に輝き、しんゆりでも開催前から楽しみにしていた方がたくさんいた作品でした。この日は副音声付き上映もあり、満員御礼。

image.jpg

第3回の映画祭からスタートしたバリアフリー上映。ボランティアスタッフも経験を重ね、今や映画祭を飛び出し、アートセンターの通常上映などでも活躍しています。副音声や字幕によるバリアフリー対応ができる作品の幅もどんどん広げております。ご利用いただく観客のみなさまのご意見やご要望も糧に、誰もが同じスクリーンで多くの映画を楽しめるよう、工夫と努力を重ね続けていきたいと思います。

3番目の上映は毎年恒例となった企画「東京フィルメックスinしんゆり」の『記憶が私を見る』。海外からのサプライズゲスト、 監督・主演のソン・ファンさん舞台挨拶に登場しました!

image.jpg

20回目のしんゆり映画祭で、久々に来日ゲストによるトークが実現!

東京フィルメックスのプログラム・ディレクター市山尚三さんが司会を務めてのミニトーク。中国生まれのソン・ファンさんですが、フランス語が堪能。『恋恋風塵』 のホウ・シャオシェン監督がジュリエット・ビノシュを主演にフランスで撮った作品『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』にも出演しています。この日は川崎市アートセンターの村上さんの通訳を介して、ソン・ファンさんのお話を聞きました。
この映画では、ご自身以外の出演者は実際の家族や親戚などのソン・ファンさんにとって身近な人たち、つまりプロではない役者固められています。本作以前には短編映画でご自身の肉親を撮ったこともきっかけだったようです。さらに家族以外の人や親戚、その友だち、兄弟、その何世代と続く人たちを撮りたい、それらの人たちがどう家族に寄り添い生活しているのかを撮りたいと思ったそうです。また、それぞれの人生で出会う死の現実に直面したことで、この映画のシナリオを書くに至ったとのこと。自分が聞いてきたことなどの構造を生かしてまとめあげるように書いたそうです。
撮影現場では、ソン・ファンさんの家族は以前の短編での経験があり、カメラの前には慣れていましたが、他の人ははじめての役者体験。ときどき休憩を入れながらゆっくりと、さらに、撮影チームの人数も少なくするなど、それぞれの人ができるだけ緊張せずリラックスして撮影に臨めるように心がけていたそうです。
また、本作の録音技師は山下あやさんという日本人女性で、ソン・ファンさんの北京の映画学校時代の同級生とのこと。このころの出会いがきっかけで、今回の制作に参加してもらうことになったそうです。

短い時間でしたが充実したトークの最後は、お決まりのシネマウマからのプレゼント贈呈。

image.jpg

客席の後ろから現れたシネマウマにビックリ、そして爆笑のソン・ファンさん。「アリガトウ、アリガトウ…スゴイね…」と日本語で何度もシネマウマに声をかけてくれました。喜んでいただけてうれしかったウマ!

image.jpg

トークの後も、ロビーで観客との交流は続きます。質問をしてくれた方に、丁寧に答えくれるソン・ファンさん、本当にあたたかい方でした。

4番目は、公開以来カルト的人気を誇る、21世紀型アイドル映画がしんゆりに登場!
アイドルを目指す娘とアイドルファンの義父の、親子愛とも異性愛ともとれる絶妙な関係性を描くコメディ作品『あの娘、早くババアになればいいのに』が上映されました。

SIF_59750092.jpg

上映終了後は、頃安祐良監督とヒロインの蟹沢アンナ役を務めた女優の中村朝佳さんのトークショーを開催。

image.jpg

お二人の登場の際は、あらかじめ映画祭スタッフが用意したサイリウムのライトを観客のみなさんが振って会場を演出。この一瞬だけアイドルのライブ会場と化した客席の間を、頃安監督と中村さんが入場されました。

この日はさらに、本作に出演の俳優お二人も急遽トークに参加。血のつながらない娘をアイドルに育てようとするアイドルオタク平田役の尾本貴史さんと、アンナに猛アタックする男・清水役の切田亮介さんが客席からスクリーンの前に登場。監督と主要キャストが並ぶ豪華なトークショーが始まりました。

image.jpg

撮影は5日間というタイトスケジュールの中、寒い季節に深谷市で行われました。キャスト、スタッフのみなさんにとっては厳しい状況。
そんな中でも、「脚本がおもしろかったから、それに身を委ねてやっていました。…撮影中はセリフが聞こえるだけでおもしろかった。」と中村さん。
「もらった時点でおもしろい脚本だったので、(作品が)おもしろくなかったら俺のせいになるんじゃないかという重圧があり、元々アイドルに詳しくなかったこともあって、役作りには悩みました。でも、撮影に入ってからは割り切って役に入ることができました。」と尾本さん。
監督もあえてアイドルオタクとはどういうものかは説明することはなく、尾本さんが想像した平田像が映画の中に現れていたようです。それはアンナ役の中村さんにも同じで、役づくりに関して監督からの注文などはほとんどなかったそうです。
頃安監督はご自身もアイドルファンで、乃木坂46のPVなどアイドルとのお仕事もされていますが、「おふたり二人に役をおまかせした時点で、好きにやってもらったほうがおもしろいと思いました」とのこと。

演技をはじめて間もないころに本作出演(当時18歳)となった切田さん。
「緊張しましたが、何もかもはじめての経験をさせていただき、この映画にはホント、感謝しかないですね。」
監督は映画が完成するまでは切田さん演じる清水の登場シーンがいちばん心配だったそうですが、
「完成したらみんな清水くん大好きになった」と中村さんもおっしゃるように、監督も納得できるシーンができあがったそうです。
中村さんは撮影前に切田さんとダンスの練習をすることもあったとか…。
客席からは切田さんへ拍手とともに、「よかったよ〜!」と声がかかり、「ありがとうございます。もっとがんばります!」と切田さんがはにかむ場面も。トークゲストの中で一人だけスーツ姿の切田さんに監督から「そういえばなんで今日スーツなの?」とつっこみ。
「僕、近くに住んでいて、もしかしたら舞台挨拶呼んでくれるんじゃないかと思って(笑)、ちょっと気合い入れて来ました。」と切田さん。
愛されキャラっぷりで会場を笑いと拍手で湧かせました。切田さん、これからも応援してますよ〜!

SIF_60560133.jpg

本作の公開後の各地での’アンコール上映時はミニライブや握手会もおこなったそうです。
中村さんも役になりきりアンナの新曲(!)を披露したり、ファンと握手をしたり…。映画を観に来たお客さんもアイドルとなったアンナのファンになりきってライブを盛り上げたり、握手を求めます。中村さんは、ライブや握手会という状況に身を置きながら、“握手をする側”という役と“される側”という役があり、お互い演じている感覚が新鮮だったそうです。
「お客さんも一緒に盛り上げて支えてくれて、一緒につくりあげているのを感じました」とのこと。
頃安監督、尾本さん、切田さんも握手やサインに応じ、
「握手会にはよく行くけど、握手をされる側ははじめて。楽しかった。」と監督。「握手をしてもらう側も芝居をしているんだね」というお客さんの言葉が印象に残っているそうです。
「僕にまで握手を求めてくれる人がいて、うれしかったです。…こっちから何かをしなければいけないと思っていたけど、握手を求めてくれるお客さんの方からいろいろお話をしてくれて…逆に元気をもらうというか、この作品をやってよかったとは撮影中も思っていましたが、次に何かをやろうという力をもらったことが大きかったですね。」と尾本さん。
「握手とかサインを求めていただくのは初めてで…。もうちょっとかわいいサインを思いつかないといけないなと思いました(笑)。気持ち悪い役なのに、笑っていただけて、毎回あたたかい目で見てくれて、ありがたいなと思いました。」と切田さん。

トークの終盤は客席との質疑応答コーナー。
監督のアイドル好きはどのくらいのものなのかという質問に、
「アイドルを好きになったのは3、4年ほど前。最近は乃木坂46が好きで、ライブや握手会などにもよく行きます。映像もつくらせてもらって、(仕事と)リンクしはじめてきたので叩かれないようにしないと(笑)」と監督。

image.jpg

強烈なインパクトを与える本作のタイトルの由来についての質問も。
監督曰く、映画の中の平田をはじめ、男目線の女の子に対する思い、「ババアになってもこの娘にのことが好きだよ」という思いを込めたとのことでした。タイトルとポスターを見て映画を観に来る方も多かったそうです。

笑顔の絶えない仲良しムードのトークショーでした。頃安監督、中村さん、尾本さん、切田さん、ありがとうございました!観客のみなさんもアイドルファンなりきりでのサイリウムの演出にご協力ありがとウマ!

終わった後もロビーで観客との交流が続いていました。

image.jpg

中村朝佳さんは現在発売中の「映画芸術449号」に寄稿しています。ぜひ読んでみてウマ。

11月1日(土)の映画祭レポート映像館編はいかがでしたか?11月最初の3連休はこうして華々しくスタートしました。
後日、11月2日、3日のレポートも続々UPしていきますのでお楽しみに!
同じく映画祭レポート小劇場編もあわせて読んでウマ〜!
posted by シネマウマ at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年11月11日

【映画祭レポート(2014.11.1 アルテリオ小劇場)】『THE DEPTHS』で濱口竜介監督の才能に触れる!

11月1日(土)レポートからは川崎市アートセンター・アルテリオ映像館/小劇場の会場別にお伝えします。
1-DSC_2244.JPG
今回はアルテリオ小劇場のレポートです。

すっかり秋も深まってきました
1-DSC_2037.JPG
1-DSC_2100.JPG

1本目は「今こそ、台湾映画!」特集からの作品『光にふれる』
1-DSC_2058.JPG
同時期に開催されていた東京国際映画祭では、チャン・ロンジー監督の最新作『共犯』が2回とも満席とのことでしたが、前作にあたる本作、見比べた方は作風の違いに驚かれたのでは?

1-DSC_2261.JPG
1-DSC_2167.JPG
10/30の回は平日ながら満席、今回も広い会場を埋め尽くすほどのお客さまが集まりました。
1-DSC_2257.JPG
1-DSC_2314.JPG
ご来場ありがとうございました!



本日最後の上映は『THE DEPTHS』。同日、映像館で上映された『記憶が私を見る』と同じく「東京フィルメックス in しんゆり」の作品で、2本ハシゴした方もいらっしゃいました!

depths-main.jpg

上映後、東京フィルメックスプログラムディレクター・市山尚三さんによるゲストトーク。この企画も5年目、市山さんも当映画祭ですっかりおなじみになりました。

1-DSC_2343.JPG

市山さんが濱口竜介監督を知ったのは、2008年の東京フィルメックスコンペティション部門で上映された、監督の東京藝術大学大学院修了制作『PASSION』だったそうです。(※東京フィルメックスHPから当時のトークの模様が見られます。→こちら

『THE DEPTHS』は濱口監督の出身大学・東京藝術大学と韓国国立映画アカデミーの共同製作。原案が先にあり、後から濱口さんが監督に決まったとのこと。劇中も日韓の俳優が互いの言葉がわからないという設定で共演しますが、現場ももちろん日韓スタッフが共同で製作。韓国の撮影監督と意見が食い違うなど、撮影はかなり大変だったらしいとのこと。

「しかし監督のキャリアとしてはよかったのでは」と市山さん。「同じ大学の気の合う、スタイルを完全に理解している仲間同士で撮るのとは違い、国籍も考え方も異なるスタッフ同士でディスカッションし、切磋琢磨しながら作ったことは本人の財産にもなるのでは」。白鳥あかね当映画祭代表が「そういう緊張感みたいなものが出ている気がした」と評したことを紹介、予算も日数も限られた中、これだけの完成度で、作家性も貫いていることを高く評価されていました。

「新人監督とベテランカメラマンの組み合わせなどで、よくあることですが、監督が弱くカメラマンの意思だけが貫かれると、映画として観たときにバラバラになっていることがあります。しかし、この映画は、確実に濱口さんが監督としてコントロールして作った映画のように思えます。現場で、濱口監督が簡単に折れずに撮影を進めたのではないかと思います」。

THE_DEPTHS1.jpg

暗室で浮かび上がる写真、波止場など、印象的なシーンの多い本作。「多分、彼はものすごくたくさん映画を観ているので、吸収して上手く使っている感じがします。『映画的な』感じがするところがすごく多い」。

depth2.jpg

濱口さんは、本作のように日韓の大学同士の合作や、映画学校のワークショップの作品などが多く、いわゆる商業的な映画を撮っていない「非常に珍しい経歴の監督」だそうです。「もう普通のプロの仕事をしてもおかしくない人。個人的には商業映画でどういうものを撮るのか見てみたいという気にすごくさせる監督ですね」。

1-DSC_2363.JPG

邦画(自主映画)の公開本数が増加傾向だという話も。ミニシアター、レイトショーなどで、公開自体は昔より容易になっていますが、「これだけの本数の映画が一挙に出てくると、そこから目立たないとあっというまに消えていってしまう。公開の機会が増えるのはいいことだが、そこから突破するのがすごく難しくなっているというのはありますね」と市山さん。

宣伝費や宣伝する人がいなくて埋もれてしまっている作品が多く、東京フィルメックスで高評価を得ながら配給が決まらなかった『THE DEAPHS』もその一つだとのこと。制作者の責任ではなく、映画祭やミニシアターなど、周囲が見せる機会を作ることの重要性を語られました。

1-DSC_2360.JPG

また、昨年始動した、日本のコンテンツの海外展開を助成する経済産業省のプロジェクト「J-LOP」の企画に濱口監督が参加したエピソードを紹介。濱口監督のほか、『サウダーヂ』の富田克也さん、『ほとりの朔子』の深田晃司さん、『イエローキッド』の真利子哲也さん、『虹色★ロケット』の伊藤峻太さんの5人が今年のカンヌ映画祭に行き、企画をプレゼンしたそうです。

同プロジェクトの選考委員でもあった市山さんは、昨今のアート界の厳しい状況の中、いきなり海外で出資者が現れる結果にはならないだろうが、「絶対に彼らの財産になる」と、このプロジェクトの意義を感じていたそうです。

「日本で映画を作っていると、自分たちだけの世界に閉じこもって、他者がどう思っているかを気にしないで作ってしまうことが多い。ここでは、企画段階で、しかも海外の人からシナリオの感想や意見を細かく聞ける。『このシナリオじゃあダメだ』とか『このほうが面白い』とか。『思わぬことをみんなが考えている』というのがそこでわかり、それは絶対に財産になる。濱口さんがそれを活かしてくれればいいなと思うし、活かせる才能であるのは間違いないと思います」。

1-DSC_2353.JPG

市山さんのお話、そして斬新な演出と目が離せないストーリーで一度観たら誰かと話し合いたくなる本作!映画を学ぶ学生さんは特に勉強になったのでは?

最後にシネマウマが登場〜!
1-DSC_2371.JPG
1-DSC_2376.JPG
市山さん、今年も興味深いお話をありがとうございました!

濱口監督は次作の製作中とのことで今回はお越しいただけませんでしたが、映画祭スタッフ一同、応援しておりますー!
濱口監督・本作の詳細については「映画祭スタッフのイチオシ映画紹介」もごらんください!→こちら

市山さんの「第15回東京フィルメックス」は11月22日からで、ただ今チケット発売中。篠崎誠監督が大胆なスタイルで撮った『SHARING』や、『凶悪』『ソラニン』などの脚本家・橋泉監督の『ダリー・マルサン』など、この機会にゼヒという作品が目白押しだそうです。しんゆりの次は有楽町へゴー!

というわけで、7日目・小劇場レポートでした!
posted by シネマウマ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年11月08日

【映画祭レポート(2014.10.31)】『スクリプターはストリッパーではありません』企画・編集の高崎俊夫さんが白鳥あかね代表に聞く!6日目レポート

こんにちは、シネマウマです。

1-DSC_2161.JPG

今回は10月31日(金)『濡れた欲情 特出し21人』上映後、平日プログラムで唯一行われたゲストトークの模様をレポートします!



この日、『恋恋風塵』『モンガに散る』『濡れた週末』に続き、最後の4本目は『濡れた欲情 特出し21人』

1-IMGP2167.JPG

1974年の日活ロマンポルノ作品で、当映画祭代表・白鳥あかねさんがスクリプターをつとめています。

今回は、その白鳥あかねさんをゲスト、著書『スクリプターはストリッパーではありません』(国書刊行会・刊)の企画・編集の高崎俊夫さんを聞き手に、上映後のゲストトークが行われました。

1-IMGP2151.JPG
お客様と一緒に作品を鑑賞するため、席に着く上映前の白鳥さん。

1-IMGP2173.JPG
日活がロマンポルノへと路線変更した当時、多くのスタッフや役者が辞めていったそうです。でも、日活は止めることはせず、残るか去るかを自由に各自に選択させ、自然と最後にどうしても映画を作りたい人たちが残ったということです。自然とふるいにかけられていったので、レベルが高くなり、ロマンポルノは高評価を得ることとなったと白鳥さん。メジャー時代の日活よりも、ロマンポルノ時代のほうが心に焼き付いているとのことです。
1-IMGP2208.JPG
1-IMGP2227.JPG

本作の神代辰巳監督の話もいろいろとあり、著書のタイトルにもなった「スクリプターはストリッパーではありません」という言葉を先輩から告げられたというエピソードでは、大きな笑いを誘っていました。

1-IMGP2221.JPG

「こういう人生体験はロマンポルノという特殊な世界に入らなければ、絶対に死ぬまで得られなかったと思うので、ある意味、普通の人の3倍も4倍も、たくさんの経験をさせていただいたので、とっても幸せだったと思っています」と、笑顔で話している白鳥さんがとても印象的でした。

1-IMGP2231.JPG

トークの最後にシネマウマから、高崎俊夫さんへプレゼント。
トークの後は、『スクリプターはストリッパーではありません』の販売&サイン会もありました。

1-IMGP2238.JPG
1-IMGP2239.JPG
1-IMGP2245.JPG


1-IMGP2165.JPG
20周年を迎えたしんゆり映画祭の記事も!

1-IMGP2166.JPG
各メディアで取り上げられた書評も紹介させていただきました。

書評などについてはFB記事にもまとめていますので、併せてごらんください!→こちら

『スクリプターはストリッパーではありません』 ぜひご一読を!以上、31日トークのレポートでした!


posted by シネマウマ at 16:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

【映画祭レポート(2014.10.28)】映画祭の長年の取り組み「保育サービス」

シネマウマです。レポートは最終日まで続くウマ!気長に待っててくださいウマ〜☆

さて、平日(10/28〜31)も連日、会場の川崎市アートセンターはお客さま、シネマウマで盛り上がりました。
1658305_775178019216217_7610537259403644640_o.jpg
長年、野外上映会でお世話になっている「パン カンガルー」さんに作っていただいた特製・20周年記念「シネマウマパン」ウマ〜☆
(※リンクは新百合ヶ丘情報サイト「新百合ヶ丘商店会オフィシャルサイト新ゆり・ねっと」さんより)

IMG_7534.JPG
IMG_7539.JPG
こちらは29日(水)『怪しい彼女』でお客さまをお迎えしたアヤカノ・シネマウマ隊♪



今回は28日(火)に実施された「保育サービス」についてレポートします!

KAWASAKIしんゆり映画祭では、映画上映に関連して、どなたでも気軽に映画を楽しんでいただくための取り組み「しんゆりバリアフリーシアター」を行っています。

そのひとつが「保育サービス」です。子育て中で、なかなか映画を観ることができない人のために、お子さんを預かるという内容です。子育て中の主婦(主夫)にとっては育児から解放され、2時間をまるまる映画に集中できるわけですから、ホットする時間にもなります。

今年は10月28日(火)10時からのプログラム『8月の家族たち』で実施されました。

川崎市アートセンターのフリースペースの一角に保育コーナーを設けて、上映中、お子さんをお預かりしました。定員は5名。保育は保育グループ「ジャンケンポン」のベテランスタッフの皆さんにお願いしました。
R0011244.jpg

ほとんどは2歳ぐらいのお子さん。おもちゃで遊んだり、スタッフに童話を読んでもらったり、楽しく過ごしていました。なかには「ママ、ママ」と泣きだす子もいますが、そこはベテランスタッフ、うまくあやしていました。

R0011246.jpg

その他、「しんゆりバリアフリーシアター」では、視覚に障がいのある方のための「副音声ガイド付上映」も長年行っており、今年は11/1(土)『私の男』にて実施、おかげさまで満席となりました。

今後も、どなたでも気軽に映画を楽しんでいただくための取り組みを続けていきます!
posted by シネマウマ at 13:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年10月31日

【映画祭レポート(2014.10.26)】アヤカノ隊、ダラス・バイヤーズ隊がフル活動の2日目!

こんにち馬!シネマウマです
映画祭2日目、イオンシネマ最終日のをレポートだウマ!
SIF_55340004.JPG
SIF_55610023.JPG

1本目は『陸軍登戸研究所』。昨年、入れないお客さまが出るほどの盛況だったためのアンコール上映です。今年も開催前から話題になっていたようで、「見たかった作品なので、ぜひ行きたい」「自分の住む町のことだから知りたい」「昨年の上映は、入ることができなかったから今年こそ観たい」といった声も多く届いていました。始まってみれば、今回も盛況。舞台がしんゆりの近くとあって、皆さまの関心の高さを今年も実感しました。

今年は計3回、今後は11月1日(土)14:30の回があります。今年も大人気の作品なので、日時ご確認の上、余裕をもって会場に来てウマ!(10月30日の回は、おかげさまで満席となりました!ありがとうございました)
受付前に研究所に関する説明パネルも掲示しています。
SIF_56570075.JPG
SIF_56630077.JPG



お昼ごろは、この後上映の『怪しい彼女』略して“アヤカノ”のコスプレをした女性スタッフたちが、シネマウマとともに駅前でチラシ配り。赤いスカートが目を引くウマ〜☆
SIF_56520072.JPG
SIF_56090046.JPG
SIF_56280056.JPG
SIF_56390063.JPG
SIF_56520072.JPG

『8月の家族たち』は開催前から評判が高い作品のひとつ。
SIF_56780084.JPG

ハリウッドで活躍する俳優たちが揃う、小さいけれど深みのあるファミリードラマは特に女性を中心に人気が高いようで、この日もたくさんのお客さまがいらっしゃいました。



さて、映画祭スタッフが日夜考えていた、お楽しみ企画付きの上映『怪しい彼女』
朝から受付まわりや会場の外で、映画の主人公オ・ドゥリになりきるべく赤いスカートに白いブラウス、水玉のスカーフを着用し、上映までの気分を盛り立ててきた映画祭スタッフたち。
1414290852423.jpg
1414290845325.jpg
SIF_56840086.JPG
SIF_57680120.JPG

上映前、市民プロデューサー(上映作品の選定や企画を担当した映画祭スタッフのこと)が観客にごあいさつする横で、アヤカノ隊もそろってスクリーンの前に登場〜。笑顔を振りまき、締めはあのキメポーズ☆
image.jpg

鑑賞後の余韻にひたれるお楽しみは、等身大パネルやなりきりコスプレスタッフと一緒の記念撮影!
パネル看板との2ショットだけでなく、お客さまもコスプレ衣装を着てなりきり写真が撮れるんです。衣装に着替えたらパネルの隣でオ・ドゥリと同じポーズを決めてハイチーズ!映画祭スタッフがインスタントカメラで撮影した写真はその場でお持ち帰りか、期間中会場に飾っておくこともできます。

image.jpg

次のコスプレ撮影会、その名も「なりきりオ・ドゥリ」は11月1日に予定。みなさんこぞってご参加ください!

DSC_2123.JPG

先ほどまでオ・ドゥリになりきっていたスタッフは、そのままテンガロンハットをかぶり、テキサスのカウガールに変 ・ 身 !
DSC_1890.JPG

映画祭スタッフ、総じて気分はダラス!
SIF_58060019.JPG

もちろん市民プロデューサーもダラスモードで!
SIF_58250036.JPG

アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒー、大熱演でしたね。相手役のジャレッド・レトも本当にいい味の共演でした。皆さま、いかがでしたか?



というわけで2日目の上映が終了。会場は3日目から、イオンシネマ新百合ヶ丘→川崎市アートセンターに移動です。スタッフは、レイトショーが終わってからの夜通し撤収作業。

DSC_2129.JPG
DSC_2131.JPG

イオンシネマ新百合ヶ丘屋上からの夜景。毎年思うが、キレイです。
DSC_2133.JPG

今日は武重邦夫・初代映画祭実行委員長がみんなとアヤカノポーズ☆
1-DSC_1922.JPG

以上、2日目レポートでした!

posted by シネマウマ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

20周年記念展示コーナーにお立ち寄り下さいウマ!

こんにちは、シネマウマです!
IMG_7569.JPG
たまには 後頭部で

映画祭、今年で20年。
いろんな映画を上映して、たくさんのゲストにきていただいたウマ!
今年のアートセンターは、これまでの映画祭をふりかえる展示や、いろんなかわいいシネマウマで盛りだくさん。
ぜひ、アートセンターのあちこちを回って見つけてみてね!

IMG_7578.JPG

2F
映像館の隣の細長い通路には、歴代のゲストの色紙。
IMG_7573.JPG
10553891_775179545882731_4442666021293765922_o.jpg

こんな人も来てくれてたの!とスタッフもびっくりです。
中には「大きな声では言えませんが、私はしんゆり映画祭が日本一だと思っています」と書いてくれたゲストも。う〜ん、感涙!

スタッフやお客様が、20年の映画祭で、思い出にのこる映画やイベントをコメントしたメッセージボードもあります!
お客様からのメッセージを引き続き募集中!ぜひ、一言書いてくださいね。

小劇場前には、カーテンから顔をのぞかせたシネマウマ。
IMG_7579.JPG
「お客様、楽しんでるウマ?」
このシネマウマの顔。よーく見てみてね!何かみつかるウマ。

スタッフが夜なべしたぬいぐるみのウマもあるウマ。
1-DSC_6431.JPG
おうちに持って帰りたくなるかわいさ!

映画祭のメインイラストの原画も展示中。
10620033_775176459216373_2098994871256561480_o.jpg
沢田としきさんの絵、やっぱりいいなぁ。大好きだなぁ。
これは、見つけるのがチョット難しい場所(自動販売機のヨコ)かも。

3Fコラボレーションルーム
「今年こそはシネマウマ飛ばした〜い!飛ばした〜い!」と言ってるスタッフがいて、どうなるかな?と思っていたら、ちゃんとシネマウマ、飛んでます!それも4頭。

10355496_775175385883147_2938420799018387480_o.jpg
来年からもがんばるウマ!

3Fの壁は、映画祭20年のあゆみを綴ったパネルを展示中。
野外上映でのイベントや、歴代のパンフレット画像も。
長く続いた映画祭だけど、最初は、ささやかな一歩からだったんです。
IMG_3065.jpg

受付には、長年お世話になっている地元のパン屋さん「カンガルー」さんに特別「シネマウマパン」を作っていただいたよ!
10711058_775178759216143_5123252942997228537_n.jpg

というわけで、映画を楽しんだ後、または映画前でも、ぜひぜひ3階コラボレーションルームにお立ち寄りください!いろんなシネマウマが待ってるウマ〜!

IMG_7534.JPG
いつものシネマウマも待ってるウマ〜!!
posted by シネマウマ at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

【映画祭レポート(2014.10.25)】熊切監督ご来場で盛況!20年目の初日開幕


DSC_2081~2.jpg
20年目の朝は快晴でした。KAWASAKIしんゆり映画祭、本日開幕です。

1-DSC_6327.JPG
1-DSC_6432.JPG
1-DSC_6334.JPG
冒頭、白鳥あかね代表がこの20年を振り返る内容の挨拶。会場から拍手が沸いていました。

mDSC05721.jpg
mDSC05757.jpg
午前中はTVK(テレビ神奈川)では、川崎を楽しむ情報番組「LOVEかわさき」に、シネマウマたちが出演、体を張って映画祭をPR!皆さん、観ていただけましたか???

受付前のポスター展。進行係、こちらも体を張ってPRしています
1-DSC_2092.JPG

今年のオープニングは「いまこそ、台湾映画!」特集の一本、『GF*BF』。3人の男女の恋と友情を、戒厳令時代→民主化→2000年代と台湾の激動の時代をなぞりながら描いた物語で、よかったという感想を多くいただきました。



2本目は1939年の日本映画『鴛鴦歌合戦』。(劇場入り口で進行、体を張ってPR)
1-DSC_6364.JPG
伝説の時代劇オペレッタをシネコンで観られる貴重な機会。大画面で躍動する片岡知恵蔵、市川春代、志村喬〜!「しんゆり名画座」特集では、今後もシネコン大画面・高音質の環境で、過去の名作やフィルム映画を上映する機会を提供し続けていきたいです!



1-DSC_6375.JPG
さて、新百合ヶ丘駅周辺は外もお祭りづくし。「しんゆりオリーブまつり共同プロモーションイベントinエルミロード」では、「KAWASAKIしんゆり映画祭初日イベント」で、白鳥あかね代表、広報スタッフ、そしてシネマウマが映画祭のPRしてきたウマ!
_0153-.JPG
_0183-.JPG
_0203-.JPG

DSC_0410.JPG

長野県高森町の柿丸くん(左)、川崎市麻生観光協会のキャラクター・かきまるくん(右)と一緒に、写真撮ってもらったウマ(両者は交流がある模様!)!自称「元祖ゆるキャラ」として感慨深いウマ〜



本日3本目は『私の男』
1-_0270-001.JPG
映像化不可能といわれた桜庭一樹の同名小説の映画化作品です。上映後、熊切和嘉監督をお迎えして今年最初のゲストトークを行い、多くのお客さまが集まりました。

1-_0280-001.JPG
1-DSC_6389.JPG

監督は2009年上映『ノン子36歳(家事手伝い)』以来のご来場。『私の男』原作を読んだきっかけは、桜庭一樹さんファンの奥さまから薦められたことだそうです。圧巻の流氷シーンのロケでのエピソード、16o・35o・デジタルと、撮影素材をシーンごとに変えたわけ、原作と時間軸を変えた意味、監督ご自身は淳悟と花の関係をどう思われているか?など、多くの興味深い話を伺うことができました。また、最優秀作品賞・最優秀男優賞を受賞されたモスクワ国際映画祭でのプレス上映での反応など、海外でのエピソードも。
_0308-.JPG
1-_0363-001.JPG
1-DSC_6401.JPG

二階堂ふみさん、浅野忠信さんなど出演俳優の方々についても語られましたが、藤竜也さんについて、「ある種のタブーを扱う映画なので、映画ファンとして『愛のコリーダ』に出ていた人に出てもらいたかった」と語られていたのが印象的でした(藤竜也さんは11/3 14:10『野良猫ロック 暴走集団'71』ゲストトークにご来場予定!)。

『私の男』は2月3日にDVD発売、監督が「現場を思い出して、気持ち悪くなって、途中で一回止めました」という1時間のメイキングも収録とのこと。また、大阪芸術大学の卒業制作『鬼畜大宴会』も同日ブルーレイ発売だそうです(メイキングは監督の後輩の山下敦弘監督…豪華!)。12月から8ヶ月間、文化庁新進芸術家海外研修制度でパリに留学される熊切監督、次回作を楽しみにしています!ありがとうございました。

ゲストトーク恒例!シネマウマがプレゼントをお渡しでーす
1-_0381-001.JPG

白鳥あかね代表と
1-_0385-001.JPG

『私の男』次回は11月1日13:30の回です。お見逃しなく!


進行、体を張って、、、(略):-)
1-_0396-001.JPG
4本目は「いまこそ、台湾映画!」特集の2本目『モンガに散る』『GF*BF』でイケメンぶりを発揮していたリディアン・ヴォーンがこちらでは極道の親分の息子役(…今日はリディアン・ヴォーンDAY?)。台北の町「モンガ」での極道の勢力抗争を描く本作。「台湾映画界は美男美女揃い!」とプログラム担当が一貫してイチオシしておりますが、いかがだったでしょうか???若手俳優の魅力満載の本作、女性のお客さまが多かったように見受けられました!見逃した方、10/31(金)12:50の回をぜひ!

というわけで、本日のプログラム終了。

本日の総括ミーティング。毎日が打ち合わせ、行動、反省、対策、の繰り返し。楽しくも日々精進
1-DSC_6434.JPG


白鳥代表も「アヤカノ」(『怪しい彼女』)ポーズで上映作品をPR!
1-DSC_6429.JPG


以上、初日レポートでした!
posted by シネマウマ at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2014年08月29日

今年はムーミン!なつやすみ野外上映会(8月23日)

こんにちは、シネマウマです。
8月23日(土)のなつやすみ野外上映会をレポートしまウマ!

第6回(2000年)から始まった「なつやすみ野外上映会」は、今回で15回目。
年々お客さまも増えご好評をいただいていますが、ここ数年、ボランティアスタッフの悩みは天候判断……会場設営のため、午前中には校庭、体育館どちらの開催かを決定しなければなりません。

今年は午前中は雨。しかし午後からは晴れの予報です。晴れるよう祈りながら、朝から準備が始まります。事務局と日本映画大学からの荷物搬入、駅からの順路掲示板貼り、テント設営、そして全体ミーティング……

1-DSC_1427.JPG
1-DSC_5623.JPG
1-DSC_1437.JPG
1-DSC_5641.JPG

急患が出たら?落し物は?テントの位置をずらす?一つ一つ、ここで確認していきます。

そして、まだ暗い空の中下された判断…「校庭開催にしましょう!」。いっせいに各セクションに散るスタッフたち。しかしこれが英断となりました。

1-DSC_5755.JPG

念願の…青空が! みんなの日ごろの行いに違いないウマ!

1-DSC_5652.JPG
1-DSC_5660.JPG
1-DSC_5698.JPG
1-DSC_5795.JPG

机やイスを校舎から運び、テント設営が終わると、各班に分かれます。進行、会場整理、音響、照明、弁当、警備、影アナ、来賓対応、ゲーム、記録、などなど…

いろいろな役割があり、初回から培ってきたノウハウが受け継がれているのです!

1-DSC_5793.JPG
1-DSC_5893.JPG
1-DSC_5752.JPG
1-DSC_5850.JPG

初回から設営をお願いしている北島工務店さんにより、見る見るうちに野外スクリーンができあがります。
1-DSC_5654.JPG
1-DSC_5743.JPG
1-DSC_5757.JPG

映写をご担当いただいている鈴木映画さんも、ブルーシートを挟んだ客席後方で準備。毎年お世話になります!

1-DSC_5890.JPG

お昼休みです。唯一、冷房の効いたスタッフ休憩所でお弁当。
1-DSC_5684.JPG
おやつや塩分・水分対策もバッチリ、これも長年のノウハウです。汗をかいた後のアイス、ウマイウマ!

ゲームや屋台の設営も整い、BGMが流れ始めると、いよいよ開場。
17時、校門が開きました。

1-DSC_5902.JPG
011シネマウマ.jpg
シネマウマもそろってお迎えしまウマ!

1-DSC_5941.JPG
1-DSC_6068.JPG
1-DSC_5962.JPG
014人気の屋台.jpg
1-DSC_6060.JPG
1-DSC_6038.JPG

今年の上映作品は劇場版『ムーミン谷の彗星』。ムーミン、ミイ、スニフ、スナフキンという世代を超えて愛されるキャラクターたちが、哲学者・ジャコウネズミの「世界は滅びる」という予言に怯えながら、秘密を探りに力を合わせて冒険する物語。原作のトーベ・ヤンソンはフィンランド生まれで、今年生誕100周年に当たります。

北欧つながりで、今年のゲームコーナーは「クッブ」。バイキングが生み出したというスウェーデンのスポーツです。両チーム5個ずつのクッブ(角材)を自陣コートに並べ、6本のカストピンナ(丸棒)で相手のクッブを倒すゲーム。

体力差なく楽しめるので、大人も子どもも夢中!絶えず歓声が聞こえていましたよ!

1-DSC_5853.JPG
1-DSC_5999.JPG
1-DSC_5970.JPG

東日本大震災後、被災地を中心に500回超の上映会を行っている「シネマエール東北」。映画ファンからの募金を土台に運営され、当映画祭も賛同しています。シネマウマも呼びかけ募金をお願いしたところ、多くのご協力をいただきました。ありがとうございました。
【ご報告】8月27日付で募金額19,926円を送金いたしました。多くの皆さまのご支援に感謝いたします。
1-DSC_5936.JPG

1-DSC_5978.JPG
警備は青少年指導団の皆さまにご協力いただきました。

1-DSC_5864.JPG
白鳥あかね代表。天候判断、来賓応対、あいさつ、等々大忙しです

1-DSC_6070.JPG
野外上映会15年の歩みを振り返るコーナーも盛況でした。

さあ、18時半、開演です。

1-DSC_6115.JPG
1-DSC_6137.JPG
1-DSC_6169.JPG

白鳥あかね代表、ご来賓あいさつに続き、「劇団わが町」の皆さんが、野外上映会にちなんだ寸劇を披露してくださいました。

1-DSC_6187.JPG
1-DSC_6180.JPG

画面が暗転、映画がはじまると、朝から駆けずりまわっていたスタッフもようやく一息。

yagi (3).jpg

お客さまは、焼きそばを食べながら、ビールを飲みながら、思い思いの格好で、ムーミンの映画を観ています。

小田急線の走る音、風で少しゆれる画面、子どもたちの笑い声…

1-DSC_6209.JPG
ああ、いいですねえ。野外上映の醍醐味ですね。

今年は過去最高、1500人以上のお客さまに来場いただきました。
本当にありがとうございました!

本祭は10月25・26日、10月28日〜11月3日開催です。
スタッフも本祭に気持ちを切り替え、準備に奔走中!お待ちしてますウマ〜!
映画祭HP:http://www.siff.jp/siff2014/
映画祭twitter:@k_siff    

《おまけ》
この…至福の一杯のために…スタッフもおつかれさまウマ〜!
1-DSC_6267.JPG
posted by シネマウマ at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2013年11月02日

満員御礼!7日目(13日)レポート 映像館編

いよいよラスト。最終日の映像館レポートでウマ!

1本目『ベルリンファイル』に続く2本目は『横道世之介』。

1-1-DSC_0447.JPG

上京生活を送る青年と、彼を取り巻く人たちの青春時代(80年代)を綴った、ハッピーだけどちょっぴり切ないテイストの物語。上映後は、沖田修一監督と西ヶ谷寿一プロデューサー(以下西ヶ谷P)のゲストトークを開催しました。

映画上映中、トーク前のスタッフ控室ではスタッフはソワソワ…

1-1-DSC_0404.JPG
な なんだ、これは?

1-1-DSC_0425.JPG
ウォームアップするシネマウマ☆ 何の練習?サンバ?もしかして…

1-1-DSC_0443.JPG
1-1-DSC_0452.JPG
映画上映終了直後の休憩、こっそり、かつ急いで準備。
お客さま、ご協力お願いします〜♪

昨年の『キツツキと雨』に続き(去年はゾンビメイクで暴れさせていただきました!)、映画祭からゲストへのサプライズ。作品に出てくる「太陽の被り物」をお客さま全員に被っていただき、お迎えしました!

1-1-DSC_0454.JPG

1-1-1-DSC_0478.JPG
監督、ビックリの表情ありがとうございます!(ガッツポーズ)
西ヶ谷Pにも喜んでいただき、温かい雰囲気でトークがスタート。

まずは、吉田修一氏の小説の映画化ということで、制作する上で意識した点を伺いました。
「原作を大事にしたいと思っていました。やりにくいということは全くなく『どんな映画にしようかなあ』と考えるのが楽しかったです」(沖田監督)

西ヶ谷Pには、沖田監督にオファーしたいきさつをお聞きしました。
「我々の青春時代の話でもあるし、映像化できたらいいなと思いました。そして『これは沖田監督のテイストで個人的に見たい!』と強く思いました。“シュウイチ”って名前も一緒だし(笑)、いいんじゃないかという予感がありました」(西ヶ谷P)

1-1-DSC_0542.JPG

そして主役の二人についての質問。主演の高良健吾さんは「最初に会った時は、『あ、イケメンだな』と思いましたが、話してみるとすごく純朴な印象がありました。僕の現場で純粋に楽しんでやってくれている姿勢は最初から変わっていない。そこがいいなと思っています。世之介と同じ九州出身で、世之介のような大らかさもあって…ということで、真っ先に決まったという感じでした」(沖田監督)

吉高由里子さんについては「小説を読んでいる時から吉高さんが頭に浮かんでいました。『吉高さんで見たい!』と。彼女は台本読みの時にとても緊張していましたが、そういうものを全部踏まえて初日にドーン!と出してくるパワーがすごい」(西ヶ谷P)。吉高さん演ずる祥子は、ちょっと変わったキャラの持ち主。撮影初日が祥子の個性が前面に出てくる場面(下北沢でのダブルデートの場面)だったこともあり、相当なプレッシャーを感じつつも、吉高さんがどんどん解放されていく様子はお二人にとっても発見続きだったそうです。

1-1-1-DSC_0575.JPG

次に、すべてロケ撮影という本作の制作苦労話をお聞きしました。時代設定が80年代なので、出るわ出るわもろもろのエピソード。会場が一気に沸きました。

「80年代の風景がほとんど残ってないんですよ。カメラを回すとパラボラアンテナが映って、CGで消さなければならない。セットを組むと雰囲気が出ないので、実際の街を探さなければいけない…」(西ヶ谷P)
撮影にそのまま使える喫茶店もなく、内装を全部変えさせてもらい、病院も「扉の取っ手が違う」という理由で長野まで出向いたとか。

冒頭の新宿のシーンは当然、許可は下りず、早朝にゲリラ仕込みで撮影。タイミングを合わせて、80年代の格好のエキストラ何人かで歩く。エキストラが待機しているのを見た、信号待ちの外国人が呆気にとられていたそうです。

極めつけは駅。下北沢駅前で若者たちが出会うシーンも、撮影許可が下りない。結局、東急東横線・菊名駅の裏にもう一個駅を作って階段まで設置。菊名の住民がビックリしていたそうです。

「80年代なので、髪型や服も違うんです。集まったエキストラに『もみ上げ切れる人いますか?(エキストラの中でも)前のほうに来られますよ』などと呼びかけて大変でしたよ」(沖田監督)

なるほど。少し前と大して変わらないと思えるような場所でも、撮影の目線に立つとまったく使えないわけですね。ひとつひとつをクリアしていくのはとても大変なことだったと思います。

話は尽きませんでしたが、トーク最後の話題はお二人の仕事のスタンスへ。沖田監督が現場の雰囲気づくりで大事にされていることは?
「苦しい顔をしてやっていても仕方ないなと思っているので、なるべく笑いながらやれるようにはしたい。そもそも、遊びでビデオを回して、撮って…という体験から映画の世界に入っていったので、その根っこは(今も)変わらないですね」(沖田監督)。

「(彼が)そこを大事にしていると、すごく感じます。いつも『役者の芝居を最前列で見たい!』っていう感じでいるよね」(西ヶ谷P)

西ヶ谷Pはご自身のアプローチについて「僕の場合は『この映画を作るぞ!』というよりも『付き合いのある監督の次回作をどうしよう?』という考えが中心になっている。才能ある監督に、どんどん大きくなってもらいたい」とおっしゃっていました。

ここから質疑応答コーナーへ。ツボを押さえた質問をお客さま(日本映画大学の学生さん)からいただきました。

1-1-DSC_0603.JPG

━━フィルム撮影と聞いて。今、デジタルの世の中で何故フィルムにこだわったのかを聞かせてください。

沖田監督:「一回もやったことがなかったんです。だから、今やらなかったらもうできないという実感がありました。題材も80年代なのでの質感的に合うと思ったんで、(撮影の)近藤(龍人)さんに相談して、ぜひフィルムでやりたいということになりました」。

1-1-DSC_0593.JPG

━━ 西ヶ谷P。プロデューサーをやる上で大切なことや難しいことを教えてください。

西ヶ谷P:「プロデューサーの役割って、基本的に雑用全部だと思うんですよ。各パート以外のところ全部、ただし責任も全部というところです。でも、逆に言えば『これはやめろ』という指示を出したり、『そんなことはあり得ない』とも言うこともできる。制作当初にみんなの気持ちが一つになっていても、実際にやっていくと、難しいことがあってどんどん剥がれていく。そういうところで『負けない』。『負けたら終わっちゃう』場面で踏ん張るのが、その役割じゃないでしょうか」。(「かっこいいですね!」と沖田監督の一言が)

1-1-DSC_0609.JPG

1-1-1-DSC_0539.JPG

トークの締めくくりはお馴染み! シネマウマからのプレゼント。

1-1-DSC_0648-002.JPG
きたー!『横道〜』仕様のシネマウマが登場。あれ、後ろにも誰かが!

1-1-DSC_0663.JPG
途中で倒れるシネマウマ!「僕より先に、構わず行ってくださいウマ」

サンバ・サークルの世之介と倉持一平に扮したシネマウマが、作品中の台詞を再現しながらお二人にプレゼントをお渡ししました。

1-1-DSC_0672.JPG

「公開から時間も経っていますけれども、たくさんの方に見ていただける映画になったら嬉しいなあと思います。『横道世之介』を見てくださりありがとうございました」。(西ヶ谷P)

沖田監督、西ヶ谷プロデューサー、そしてご協力いただいたお客さま、ありがとうございました!



さて、本映画祭ラストを飾るのは『戦争と一人の女』。坂口安吾の小説を映画化した本作は、太平洋戦争に翻弄された男女の姿を描き、豪華な出演者と制作陣が集結したことも話題になりました。
1-DSC_0382_880-1013.JPG

1-DSC_0315_815-1013.JPG

ゲストトークは映画祭代表・白鳥あかねを聞き手に、井上淳一監督、主演の江口のりこさんをお招きして開催。白鳥代表はお二人と仕事をしてきた関係でもあり、重厚なテーマの作品ながら、トークは終始なごやかな雰囲気でした。

1-DSC_0405_903-1014.JPG

本作が生まれるきっかけを聞かれて井上監督は、企画統括の寺脇研さんの「観たい映画がないから自分たちで作りたい」等の意向があったこと、最近の日本映画で忌み嫌われる「性」と「政治」を取り上げたいと思ったことなどを語りました。戦争当時の男女のメンタリティを知ろうと戦争文学を読み漁り、そこで坂口安吾の原作に出合ったそうです。
「『戦争が好き』という女、戦争で死ぬかもしれないという期間限定付きだから燃える男と女の姿。これは今までの戦争映画と違うことができるのではないか、と」

1-DSC_0416_914-1013.JPG

江口さんは、マネージャーさんからこの企画を聞いたときのやりとりを語りました。
「荒井さんのホン(脚本)で京都で撮影できるというのが私には魅力的だったんです。その頃、仕事していてもつまらなかったんで、これは楽しそうだなと思って。『やりたい』と言ったら、マネージャーさんが『でも、裸になったり、結構ハードな感じだけど、それでも大丈夫?』って。でも、絶対楽しいだろうなと思ったんで、もうホンを読む前に『やります』と決めましたね」

1-DSC_0409_907-1013.JPG

しかし、初顔合わせでは、「大丈夫かな」と不安になったとか。「寺脇さんは遅刻してきたし、監督は全然喋らないし。私も何喋ったらいいかわからないし。寺脇さんが一人でずっと喋ってましたよね?」(江口さん)
「役者さんに何話していいかよくわからなかったんですよ」(井上監督)

井上監督は、故・若松孝二監督に師事し、脚本家として活躍されていましたが、監督としては本作が初。脚本家から監督へと立場を変えて臨んだ今回の制作体験について、「脚本は、いつも二次元の勝負。それが三次元になっていくときに、果たして自分にちゃんとできるんだろうか」という不安があったそうです。

「脚本家って、二次元を三次元にされて、自分ができないにも関わらず、どこか不満があるものなんですよ。特にここ最近、例えば役者さんに『これは言えません』と言われたら、現場で(脚本が)変わるなど、撮影の諸条件で撮りやすいように変えられてしまうということも含めて、脚本家が大切にされてないな、と思っていたんで、そこだけは絶対に防衛ラインで、きっちりやろうと思っていました。それさえやれば、この映画は、ある程度の出来は担保されるんじゃないかなとは思いましたね」。

本作の脚本は、井上監督の脚本の師匠でもある荒井晴彦さん。脚本を読んでから、江口さんは「こりゃ大変だ」と思ったそうですが、相手の野村先生役が永瀬正敏さんに決まったとき「ちょっと希望の光のようなものが見えた」と。数多くの撮影現場を経験してきて、「現場を楽しむこと」を心掛けるようにしているという江口さん、ここではとても楽しむことができたそうです。

「脚本では『涙を流す女』とか書いてあるけど、涙なんて流そうと思って流せるものじゃないし、『これは困ったな』というのがたくさんあったんです。涙が出ないと、監督はすぐ『はい、もう一回』って言う。でも、現場によっては、私が涙を流さなくても『OK』って言われちゃう場合が結構あるんですよ。『涙は出ないけれど、江口さんの中ではきっとそういう気持ちになってるんだからOKにしよう』っていうようなことだと思うんですが、私としては不満が残るんですよ。だってそう(脚本に)書いてあるんだから。それができなかったのだから。だから監督が『はい、もう一回』って言ってくれるのが、ちょっと嬉しかったんですよね。そのときに『あ、いい現場になるかな』という気持ちがあったし。とにかく撮影が楽しかったんですよ」(江口さん)

1-DSC_0414_912-1013.JPG

井上監督が本作で得たものは何だったのでしょうか。
「脚本を書いているときって、一番苦しい。『ゼロからこっちが全部やっているぞ』という気持ちがあって、やはりどこか傲慢になっていくんですね、『自分が差配している』と。そのときはかなり嫌なことも言うけど、こうやって(監督として)江口さんと会って、自分の意思すらどうやって伝えていいかわからない。別に意識してモードを変えたわけではないけど、そういうとき、人間って謙虚になるんですよね。それがわかったのは非常に大きかったですね」(井上監督)

「それはすごいいい話だと思う。やっぱりね、謙虚じゃない監督はダメ。伸びない(笑)」(白鳥)

戦中育ちの白鳥は、本作を観て、当時の様子がリアルに再現されていることに感動し、また、京都松竹撮影所という老舗撮影所の協力のもと10日で撮ったというスタッフワークを絶賛。
「日活の監督で、京都の撮影所に行って、いじめられて泣いて帰ってきた人いっぱいいるんだから。だから、すごくよくしてもらったっていう話を聞いて、すごいなあ、奇跡だなと」

永瀬正敏さんの現場での意見が好奏したことや、2人の照明部の方をはじめ「○○待ち」がほとんどなかったという素晴らしい老舗撮影所のスタッフワークなど、多くの幸運が重なった作品だと、井上さん。
「本当に、よくまあこれだけ理想的に落ち着くべきところに落ち着いたなと言う。そういう意味では、本当にラッキーでしたね」

最後にシネマウマからプレゼント!

1-DSC_0427_923-1013.JPG
1-DSC_0430_926-1013.JPG


さらにトーク終了後、井上監督、江口さん、そして出演者の一人で来場いただいていた千葉美紅さん(日本映画学校俳優科ご出身!)も交え、今年何度目か?の「急遽サイン会」が行われ、ロビーはお客さまとの触れ合いの空間となりました!

1-DSC_0432_928-1013.JPG
ロビーは長蛇の列

1-DSC_0448_943-1013.JPG

お三方には映画祭の打ち上げにも参加いただきました。ありがとうございました!
1-DSC_0721-001.JPG


というわけで、全日程、盛況のうちに終了。3D上映、マサラ上映など、初めてのチャレンジもありましたが、『陸軍登戸研究所』をはじめ、たくさんの満員御礼回を達成でき、これもひとえに熱心に足をお運びいただいたお客さまのおかげと、スタッフ一同感謝しております。誠にありがとうございました。

DSC_0137.JPG
P1000846.JPG
DSC_0098.JPG
DSC_0310.JPG
1-DSC_0049.JPG
DSC_0150.JPG
1-DSC_0379.JPG
1-DSC_0034.JPG
1-1-DSC_0691.JPG
1-R0010362-thumbnail2.jpg
1-DSC_0520.JPG


来年はいよいよ20周年。皆さまの引き続きのご協力をいただき、映画祭を盛り上げていきたいです。

20周年でお会いしましょウマー!(HPは続くので引き続きチェックくださいね♪)

(KAWASAKIしんゆり映画祭・記録班)
posted by シネマウマ at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2013年10月29日

中学生のワークショップ発表会と盛況の活弁上映会!8日目(13日)レポート 小劇場編

こんばん馬!シネマウマです

1-1-DSC_0014.JPG
ミニのほうです

いよいよ、最終日を迎えました。小劇場の2作品をレポートするウマ!

10時20分からの1本目は「ジュニア映画制作ワークショップ発表会」。

1-1-DSC_0353.JPG
中学生手作りの掲示物に、多くのお客さまが見入っていました

中学生が企画から出演、制作まですべて手がけるこのワークショップも今年で14回目。

今年の作品は、9人の中学生「チーム・センベイズ」が制作した18分の映画『My Good Friends』。ちょっとした心のすれ違いや、相手の過去を知る経験を経て、クラスメイトたちが友情の大切さに目覚めていく物語は、保護者、友達など、詰め掛けた多くのお客さまに拍手をもって迎えられました。上映後、9人の中学生と、指導講師の熊澤誓人監督が壇上に上がり、感想発表や質疑応答が行われました。

1-1-DSC_0162.JPG

1-1-DSC_0113.JPG
指導講師・熊澤監督(右)

1-1-DSC_0290.JPG

1-1-DSC_0209.JPG
ワークショップOB(左の二人)が、後輩たちを質問攻め♪

本編に続くメイキング上映では、中学生たちのユニークな行動にテロップでツッコミが入り、そのたびに会場は笑いの渦。

1-1-DSC_0328.JPG
映画評論家・佐藤忠男さんの講評に聞き入る中学生たち

当日の様子はジュニア映画制作ワークショップのブログでもレポートされているのでぜひお読みください!
活動日誌(ブログ)はこちら

ワークショップでは今年、特別企画「ゆるふわトーク」の配信を行っています。熊澤監督をホスト役に、ゆる〜くふわ〜っとしたトークで、ワークショップ参加者の素顔や、撮影現場の様子をお届けしています。現在も絶賛更新中!現場の雰囲気が伝わってきて、とても面白いです。ジュニア映画制作ワークショップのホームページからごらんください。
ホームページはこちら

1-1-DSC_0345.JPG
ロビーでは、来場者に囲まれながら、9人が元気にあいさつしていました。



続いて午後は、毎年恒例となった澤登翠さんの活弁上映会。
映画は1927年のアメリカ映画『第七天国』
1-DSC_0306_808-1013.JPG

1-DSC_0297_799-1013.JPG
弁士・澤登翠さん

1-DSC_0299_801-1013.JPG
新垣隆さんの素敵なピアノ伴奏も、本上映会でおなじみです

上映中、数秒間映画が止まってしまうハプニングに見舞われました。お見苦しいところがあったことお詫び申し上げます。しかし、さすが澤登さん。語りでみごとにつないでいただきました。プロの技が成す臨機応変な対応で上映は無事に終了。

1-DSC_0304_806-1013.JPG

上映終了後は恒例の澤登さんと、映画祭代表・白鳥あかねとのトークショーがありました。

1-DSC_0367_865-1013.JPG

1-DSC_0359_857-1013.JPG

今回上映の『第七天国』は澤登さんに選んでいただいた作品です。第1回アカデミー賞で監督賞・女優賞・脚本賞の3冠に輝き、監督のフランク・ボーゼイジは『歴史は夜作られる』の監督として知られています。主演のチャールズ・ファレルと、ヒロイン役のジャネット・ゲイナーは、当時20代前半。澤登さんはこの、チャールズ・ファレルの大ファンなのです!

「背が高くて、立派な体型で、清潔感と甘さと育ちの良さと、何をしてもかわいいところ!初々しさもあって、清心な感じがして大好きです」と、好き好き度全開の澤登さん。他の出演作を例に挙げ「田舎の純朴な青年が、都会から来た女性に幻惑される」ような役どころがピッタリとのことです。

映画が作られた当時、このチャールズ・ファレルとジャネット・ゲイナーのコンビは「最高のラブチーム」と言われて有名だったそうです。ボーゼイジ監督は、このコンビが主役の映画を『第七天国』以外にも、いくつも撮ったとか。

今回の作品を「80年以上も前のものなのにとても繊細な演出ですね」と評する白鳥。元々は戯曲で、それを名脚本家のベンジャミン・グレイザー(グレタ・ガルボの『肉体と悪魔』の脚本家として有名)が映画の脚本に仕上げました。


ファレル演じる下水道掃除人は、いつかは地上に出て働く身分になりたいと願ってやまないという人物設定。「監督の若き日の想いと通じるところがあるのですか?」と白鳥より質問がありました。

ボーゼイジ監督はユタ州のソルトレイク出身。13歳頃から銀の鉱山で働いた後、いろいろな経験を経て、叩き上げで映画業界に入ったという方だったそうです。最初は俳優でした。

一方、俳優のファレルはボストン大学出身のエリート。当時のハリウッドでは様々な経歴を持った人たちが一緒に映画を作っていたのですね。それはアメリカだけでなく、初期の日本映画界も同じような状況だったようです。数々の苦労を重ねて這い上がってきた監督。「監督は主人公に思い入れがあった、そんな気がします」と澤登さん。そうした背景があったからこそ、人々の共感を呼ぶ作品に仕上がったのかもしれません。

そのほか、ここでは紹介しきれませんが、ヒロイン役のジャネット・ゲイナーの魅力や、映画の中のパリの下町のセットの迫力などについて熱く語られました。

1-DSC_0357_855-1013.JPG

そして今年は、この活弁上映のトークショーでは初めて、客席との質疑応答の時間が設けられました。
質問をくれたお客さまの一人は、若い世代の熱心な活弁ファンの方。
「主人公がアパートの1階から7階まで上っていくシーン、この映画を何度も観ていますが、どうやって撮っているのかなと思ってしまいます。本当に7階建てのセットを作っているのでしょうか、それとも合成でやっているのか、いろいろ考えてしまいますが、どうしてもわかりません。澤登さんはどのように思いますか?」とお客さま。
「見る限りにおいてはセットを組んでいると思います。セットを組んで撮ったと思いたいですね」(澤登さん)。
「他のセットや戦争の場面などの迫力から見ても、それぐらいの力は入っているんじゃないかと、想像力をかき立てられて、すごく面白い映画だと思います」(お客さま)。
澤登さんとお客さまとの会話が生まれる、活気あふれる質疑応答コーナーでした。


また、故・淀川長治さんと永六輔さんと学生時代から付き合いがあったというお客さまから、“見上げてごらん夜の星を”と“上を向いて歩こう”は『第七天国』からヒントを得て作られたというエピソードを聞かせてもらう場面もありました。

貴重な映画体験と、映画ファンなら聞き逃せない、とっておきの映画秘話が聞ける澤登さんの活弁上映会。来年以降もまた、しんゆりで続けていきたいと思います。

1-DSC_0370_868-1013.JPG
大忙しのシネマウマも最終日、ラストスパートだウマ!
澤登さん、新垣さん、すてきな映画体験を今年もありがとうございました!

1-DSC_0309_811-1013.JPG
物販では、古典映画ポスターのポスト・カードの中に、澤登さんのカードも☆
かわいい!

以上、最終日の小劇場レポートでしマウマ!
posted by シネマウマ at 22:12| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

2013年10月27日

3連休のスタートは人気作品目白押し! 7日目(12日)レポート 映像館編

映画祭7日目は3連休の初日。清々しい秋晴れの土曜日でした。

今年の映画祭の大人気プログラム続々登場!

映像館の1本目はシリーズ企画の“東京フィルメックスinしんゆり”の上映とトークがありました。
DSC_0007_524-DSC_00071012.JPG
今年は昨年のフィルメックスのコンペティション部門に出品されていた中国のハオ・ジェ監督の『ティエダンのラブソング』が上映されました。
ハオ・ジェ監督作品は以前にもフィルメックスとしんゆり映画祭で上映しましたが、覚えていますか?

監督デビュー作の『独身男』でしたね。2011年です。今回の作品は監督2作目です。
ハオ・ジェ監督と中国映画の今はどうなっているのか、気になるお話を、上映終了後、東京フィルメックスプログラムディレクターの市山尚三さんをお招きしてのトークで聞くことができました。
DSC_0023_540-DSC_00231012.JPG
前作の『独身男』は検閲を一切通さず作られたこともあり、中国国内で一般公開されることはありませんでしたが、今回の『ティエダンのラブソング』は、なんと、しんゆり映画祭が終わったすぐ後の10月18日より中国国内の映画館(中国にはミニシアターがなく、シネコンがほとんど!)で公開が始まるとのこと。なんともタイムリーな!
制作予算も前作よりアップし、インディペンデント映画の新星から、劇場公開作品の監督となっていたハオ・ジェ監督なのでした。

中国の北西部、内モンゴル周辺の地域に、ハオ・ジェ監督の出身地があります。
ハオ・ジェ監督の2作品はどちらもご自身の地元周辺の地域の庶民の人間模様を描いたもの。
ジャ・ジャンクー(『プラットホーム』『世界』『長江哀歌』などの監督)登場以降、近年の中国インディペンデント映画界では、地方を描いた作品が増えてきたそうです。
中国国内での劇場公開が決まった本作は、地域に伝わる伝統芸能の“二人台(アルレンタイ)”というお芝居の劇団を物語の中心に据えました。劇場公開映画の題材として「地方の伝統芸能」を扱うことは大変めずらしく、スター俳優も出演していない本作に、市山さんも「どんな人たちが観に行くのか」とても興味深く思っているそうです。

主人公も“二人台”の劇団のメンバーという設定ですが、演じているフォン・スーさんも実際に“二人台”の役者さんなのだとか。劇中劇で伝統芸能であるこのお芝居を演じられる映画俳優はなかなかいないので、本物の“二人台”の劇団員の方を抜擢する必要があったようです。
フォン・スーさんは本作をきっかけに、なんと次回の映画出演が決まっています。北京の名門映画大学出身の人が多い中国映画界で、伝統芸能からの映画進出は異色の存在なのだそうです。

広大な中国だけあって、作られる映画のバラエティーも豊富。数多くの映画作品を観ることができれば、テレビや新聞が伝えていることだけではない、本当の中国の姿が見えてきそうです。しかしながら近年、東京の映画館でも、本作のような小さいながらもユニークな視点を持つ中国映画が一般公開される機会が減っています。
もっと中国映画を楽しみたい!という方にお役に立つとっておきの情報も、市山さんが教えてくださいました。
まず、今回の『ティエダンのラブソング』を製作した「ヘブンピクチャーズ」という会社について。近年、ハオ・ジェ監督のような新進気鋭の映画作家の作品の製作を積極的に手がけており、ここから数々の作品が世界各国の映画祭にも出品されているそうです。
気鋭の中国映画を東京で楽しむ機会として、11月30日(土)より開催の“中国インディペンデント映画祭”もあります。

そして、この秋日本で行われる国際的映画祭の一つで、市山さんがプログラムディレクターを務める“東京フィルメックス2013”です!
中国映画はもちろん、新進気鋭のアジア映画を集めたコンペティション、世界の最新の映画動向がわかる秀作の招待上映に、日本の名画の特集などなど、珠玉の映画が大集合です。
有楽町で11月23日(土)から!
シネマウマも絶対行くウマ!
公式チラシも各地で配布されています。川崎市アートセンターにも置いてありますので、もらいに行くウマ!

映像館2本目は『箱入り息子の恋』。映画祭での2回目の上映。続く3本目に、今年の最速完売プログラム、大島渚監督作品『愛のコリーダ』の上映がありました。

4本目はシリーズ企画“スクリプター白鳥あかねの映画人生50年+(プラス)”の『ダブルベッド』の上映とトークがありました。
DSC_0012_529-DSC_00121012.JPG
80年代の日活ロマンポルノ作品。監督は藤田敏八。カラッとした人物描写とユーモアを交え、ともすればドロドロしそうな男女のドラマをさっぱりとした作品にまとめた傑作です。

上映終了後は本作の脚本を書かれた荒井晴彦さん、主演俳優の柄本明さん、当時スクリプターを務めた映画祭代表の白鳥あかねが登壇してトークショーが行われました。
DSC_0146_656-DSC_01461012.JPG

“スクリプター白鳥あかねの映画人生50年+(プラス)”とは、毎年1本、白鳥あかねがかつてスクリプターとして関わった作品を選び、ゆかりのゲストを招いて上映とトークを行う企画です。トークは、上映作品の制作当時のエピソードや、制作現場体験者の視点から、監督や出演者の人間像に迫る内容となります。
そのため、まるでどこかのバーか自宅でグラスを傾けながら、思い出話にひたるかのような、リラックスした雰囲気でトークが進行。話が脱線することもしばしばありますが、どれも映画ファンなら思わずクスッとしてしまうような、とっておきのネタ満載です。

話は藤田敏八監督の人間像に。
本作『ダブルベッド』について「僕が観たパキさんの作品の中では最高傑作」と柄本さん。
柄本さん曰く、撮影現場では「ウジウジ言っていて何しゃべっているのかわからない」パキさん。演出や指示もあまりはっきりと出さなかったようですが、出来上がった作品は「とにかくカッコイイ」。「時を経ても、色褪せない魅力があり、何十年も経た後で観ても新しい」と白鳥。
日活ロマンポルノは通常、750万円程度の低予算で1週間から10日程の短期間での撮影期間で制作されていましたが、藤田監督の作品だけは予算も多く、撮影期間も通常の倍はもらえたそうです。
映画業界での生き残りをかけて、ロマンポルノ路線に事業転換した日活。当時の会社の状況についても触れられました。
経営側やプロデューサーに、制作現場出身で映画のことをよくわかっている人たちがなっていたことや、低予算、短期間で裸のシーンを入れるという条件を満たしていれば、自由な表現ができたので、質の高い作品を残せたり、監督や脚本家など、制作現場での職に就く若手が挑戦しやすく、力を伸ばすことができる環境だったようです。
DSC_0164_674-DSC_01641012.JPG
荒井さんが脚本を担当した作品では一番多く出演しているという柄本さん。「脚本を書くと主人公が自分に近くなってくる。そうすると歳も近いし、柄本にやってほしいなと思う。」と荒井さん。
由布院映画祭のシンポジウムでのエピソードなどの話題に触れながら、話は柄本さんの演技論へ。
「役者は(台本に)書いてあることを読むという不自然なことをやっている。(監督に)自然に演じてくれと言われることがあるけれど、不自然なことをやっているのに自然にやれって言われても無理な話だよね。」と柄本さん。

トークは、荒井晴彦さんの監督作品の『身も心も』や柄本明さんが監督された『空がこんなに青いわけがない』のことにも少し触れました。慣れぬ監督業に初めて挑戦するお二人を支えてきたのは、スクリプター白鳥あかね。それぞれの監督作品をしんゆり映画祭で上映したらいいのに、という話も出ました。お二人ともしんゆり映画祭へは3回目のご出演。4回目、5回目が期待できそうです…。

DSC_0173_683-DSC_01731012.JPG
客席からの質問タイム。お客さまから荒井さんへの「この作品の脚本を執筆する中で苦労された点や、時間をかけたところは?」という質問に、「原作がほとんど無いので(中山千夏が原作とクレジットされていますが、実際に小説「ダブルベッド」から使われている箇所は少ない)、どういう話にしたらいいのか決めるまで悩みました。」と荒井さん。現在公開中の映画『おしん』の脚本の山田耕大さんが当時の企画部にいたので、一緒に悩みながら書いたそうです。「今思い返すと実力がそんなに無かったのかも。(大谷直子さん演じる主婦の物語以外にも)若い女の子をくっつけて、ゴダールのまねなんかもして、苦しかった感じがしますね。今だったら岸部(一徳)と柄本と大谷直子の3人だけで押せますね。あのころはそんなに力量が無かった。」

最後に荒井さんと柄本さんから、近況として現在公開作品を紹介していただき、トークは終わりました。

柄本さんの出演作『許されざる者』『飛べ!ダコタ』が現在公開中です。『飛べ!ダコタ』は川崎市アートセンター アルテリオ映像館 で、11月2日(土)から1週間上映されます。

荒井晴彦さん脚本の『共喰い』もシネマート新宿で公開中です。「“女は強い”という映画」なので女性の方にぜひ観ていただきたいとのことです。

映像館も力のある作品とトークがたくさんだったウマ!
小劇場はどうだったのかな? 覗いてみるウマ!

小劇場のレポートはこちらへ
posted by シネマウマ at 01:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画祭レポート

3連休のスタートは人気作品目白押し! 7日目(12日)レポート 小劇場編

映画祭7日目は3連休の初日。清々しい秋晴れの土曜日でした。

今年の映画祭の大人気プログラム続々登場!

小劇場の1本目は『陸軍登戸研究所』。2日目のイオンシネマも大好評で満席のプログラムでしたが、この日の上映も満席御礼。全上映作品の中で一番観客数が多いプログラムとなりました。
上映終了後は楠山忠之監督のトークがありました。楠山監督とともに、映画の中で証言者の一人としてご出演なさっていた太田圓次さんもご登壇。
DSC_0075_589-DSC_00751012.JPG

最初に楠山監督よりご挨拶と、制作の経緯についてのお話がありました。

楠山監督は長年日本映画学校の先生として、1年生の「人間研究」という授業を担当していました。
若者たちが年々、戦争について取り上げなくなってきたことが気になっていた監督は、あるとき、ご自身が以前から本で読んで気になっていた登戸研究所について、調べてみることを学生たちに提案。「人間研究」の一環として取材が始まりました。
学生たちのこの取り組みは学校でも大変評価されました。元々映像記録が残っていない戦争の真実ということと、他の先生方や周囲の後押しもあって、さらに取材を続け、ドキュメンタリー映画としてまとめることになりました。
学生たちは学業にアルバイトと忙しい中、楠山監督とともに制作を続け、さらに卒業後も続けました。
こうして7年かかってこの作品は完成しました。
完全秘密主義の研究所で、働いていた方々の中での、横のつながりがほとんどない状況だったため、当時を知る方を探すことにもかなり時間がかかったようです。なんとかたくさんの方々に話を聞くことができても、自分のいる部署以外のことを知ることがなかったため、研究所の全容としてまとめることが難しく、「映画は完成しないかもしれない」と思うこともあったようです。

続いて、太田さんが当時の体験談をお話ししてくださいました。
DSC_0082_596-DSC_00821012.JPG
生田近隣でずっと暮らしてきた太田さんは、当時家の近所にあった登戸研究所に就職しました。まだ10代の少年でした。
はじめは見習いとして厳しい軍事教練(武術などで体を鍛える)の日々だったそうです。
冬のある日、風船爆弾の試験放球をする部隊の一員として招集され、千葉県の一宮へ行くことになりました。しかし現地へ着くまでは、どんなことをする部隊で、これから何をするのかといった情報は、全く知らされなかったそうです。
一宮では厳しい寒さの中、風船爆弾を飛ばすための作業についていくことで精一杯。この爆弾がアメリカに向けて飛ぶことなど考えもつかなかったそうです。放球の成果が軍に報告されると、部隊の少年たちにはご褒美のお菓子が振る舞われたこともあったそうです。
戦後、風船爆弾の目的や被害状況(アメリカ本土の子どもや女性が犠牲になりました)を知ると、たとえそれが自分が飛ばした爆弾ではないにせよ、自責の念があると太田さんは言います。これまであまり体験を人に語ることはなかったのですが、「このような愚かな戦争は絶対にあってはならない」という思いを後世に伝えるため、今回の映画に協力するようになったそうです。

まだまだ登戸研究所については語られていないエピソードがたくさんあり、監督は今後も調べ続けていくようです。「みなさんの中でも、知っている情報がありましたらぜひ聞かせてください」と監督から観客へのお願いでトークは終わりました。

トークの後はロビーの物販コーナーで監督のサイン会が行われました。
DSC_0119_630-DSC_01191012.JPG

2本目は今回3回目の上映となる『偽りなき者』

小劇場3本目は『暗闇から手をのばせ』の上映と、戸田幸宏監督、主演の小泉麻耶さん、撮影のはやしまことさんのトークショーがありました。

DSC_0204_709-DSC_02041012.JPG
はじめに戸田監督から制作までの経緯についてお聞きしました。
「障がい者の性」をテーマに扱った本作。元はテレビのドキュメンタリー番組の企画として提案したものでしたが、テレビ局では採用してもらえず、結局ご自身の力で映画にすることに。脚本も監督も自ら取り組むはじめてのフィクション作品となりました。

障がい者専門の風俗嬢という、とてもめずらしい役柄に挑んだ小泉麻耶さん。とても自然体に主人公を演じ切り、映画を輝かせていました。監督は彼女の写真集に掲載されていたインタビュー記事を読み、「社会に対して怒っていたり、いろいろ思っていることがありそうな人」という印象を持ち、彼女にこの役を演じてもらおうと決めたそうです。
DSC_0208_713-DSC_02081012.JPG
小泉さんの役づくりの話題では、風俗で働く女性というキャラクターを独自に研究したり、アイデアを出したりと、とても熱心に取り組んでいた様子がうかがえました。映画の中で彼女が身につけていた衣装や小物も、ご自身で選んだものが多く使われました。映画のエンドクレジットでも「衣装」の担当に小泉さんのお名前が入っています。

DSC_0214_719-DSC_02141012.JPG
撮影のはやしまことさんに話が振られると、舞台には撮影で実際に使用されたカメラ機材一式が運ばれてきました。運んできたのは本作で録音を担当した丸池さん。しんゆり映画祭でも毎年ご協力くださっており、音響の技術と知識が必要なトークショーの音声などを担当しています。
DSC_0229_734-DSC_02291012.JPG
カメラは家電量販店でも売られているデジタル一眼レフカメラ。映画を撮るためのさまざまなオプション機材を装着して使います。今のカメラには高性能の動画機能がついていて、低予算でコンパクトで機動性もあるので、最近では映画撮影現場でも、使われることが多くなってきました。
DSC_0221_726-DSC_02211012.JPG
はやしさんが撮影において大事にしていることは「演者との距離感」。登場人物に寄り添うよう近づけて撮ったり、客観的に突き放すように離れて撮ったり、こうした撮り方を使い分けるからこそ、良い映像が撮れるとのこと。
そのほか、セリフが入るタイミングより少し遅らせて撮り始めるなど、ドキュメンタリーの撮り方を意識した撮影の工夫があったそうです。

撮影現場でのスタッフやキャストの方の様子などは、笑える小ネタでいっぱい。トークショーの舞台の上も笑い声が絶えませんでした。
DSC_0242_745-DSC_02421012.JPG
最後はシネマウマによるプレゼントの贈呈。映画祭のお約束です。突然の3頭のシネマウマの出現に、小泉さん爆笑。
DSC_0246_749-DSC_02461012.JPG
トークが終わるとロビー物販コーナーでは作品パンフレットの販売と、戸田監督と小泉さんのサイン会が。
DSC_0263_766-DSC_02631012.JPG
DSC_0265_768-DSC_02651012.JPG
お客さまと気さくにコミュニケーションをとりながら、パンフレットにサインをする小泉麻耶さん。
常に周囲を明るくしてくれる、おひさまのような方でした。

朝から夜まで、今年の小劇場の1日は長かったウマ!映像館はどうたったかな?覗いてみるウマ!

映像館レポートはこちらへどうぞ!
posted by シネマウマ at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート