2013年10月27日

3連休のスタートは人気作品目白押し! 7日目(12日)レポート 小劇場編

映画祭7日目は3連休の初日。清々しい秋晴れの土曜日でした。

今年の映画祭の大人気プログラム続々登場!

小劇場の1本目は『陸軍登戸研究所』。2日目のイオンシネマも大好評で満席のプログラムでしたが、この日の上映も満席御礼。全上映作品の中で一番観客数が多いプログラムとなりました。
上映終了後は楠山忠之監督のトークがありました。楠山監督とともに、映画の中で証言者の一人としてご出演なさっていた太田圓次さんもご登壇。
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最初に楠山監督よりご挨拶と、制作の経緯についてのお話がありました。

楠山監督は長年日本映画学校の先生として、1年生の「人間研究」という授業を担当していました。
若者たちが年々、戦争について取り上げなくなってきたことが気になっていた監督は、あるとき、ご自身が以前から本で読んで気になっていた登戸研究所について、調べてみることを学生たちに提案。「人間研究」の一環として取材が始まりました。
学生たちのこの取り組みは学校でも大変評価されました。元々映像記録が残っていない戦争の真実ということと、他の先生方や周囲の後押しもあって、さらに取材を続け、ドキュメンタリー映画としてまとめることになりました。
学生たちは学業にアルバイトと忙しい中、楠山監督とともに制作を続け、さらに卒業後も続けました。
こうして7年かかってこの作品は完成しました。
完全秘密主義の研究所で、働いていた方々の中での、横のつながりがほとんどない状況だったため、当時を知る方を探すことにもかなり時間がかかったようです。なんとかたくさんの方々に話を聞くことができても、自分のいる部署以外のことを知ることがなかったため、研究所の全容としてまとめることが難しく、「映画は完成しないかもしれない」と思うこともあったようです。

続いて、太田さんが当時の体験談をお話ししてくださいました。
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生田近隣でずっと暮らしてきた太田さんは、当時家の近所にあった登戸研究所に就職しました。まだ10代の少年でした。
はじめは見習いとして厳しい軍事教練(武術などで体を鍛える)の日々だったそうです。
冬のある日、風船爆弾の試験放球をする部隊の一員として招集され、千葉県の一宮へ行くことになりました。しかし現地へ着くまでは、どんなことをする部隊で、これから何をするのかといった情報は、全く知らされなかったそうです。
一宮では厳しい寒さの中、風船爆弾を飛ばすための作業についていくことで精一杯。この爆弾がアメリカに向けて飛ぶことなど考えもつかなかったそうです。放球の成果が軍に報告されると、部隊の少年たちにはご褒美のお菓子が振る舞われたこともあったそうです。
戦後、風船爆弾の目的や被害状況(アメリカ本土の子どもや女性が犠牲になりました)を知ると、たとえそれが自分が飛ばした爆弾ではないにせよ、自責の念があると太田さんは言います。これまであまり体験を人に語ることはなかったのですが、「このような愚かな戦争は絶対にあってはならない」という思いを後世に伝えるため、今回の映画に協力するようになったそうです。

まだまだ登戸研究所については語られていないエピソードがたくさんあり、監督は今後も調べ続けていくようです。「みなさんの中でも、知っている情報がありましたらぜひ聞かせてください」と監督から観客へのお願いでトークは終わりました。

トークの後はロビーの物販コーナーで監督のサイン会が行われました。
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2本目は今回3回目の上映となる『偽りなき者』

小劇場3本目は『暗闇から手をのばせ』の上映と、戸田幸宏監督、主演の小泉麻耶さん、撮影のはやしまことさんのトークショーがありました。

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はじめに戸田監督から制作までの経緯についてお聞きしました。
「障がい者の性」をテーマに扱った本作。元はテレビのドキュメンタリー番組の企画として提案したものでしたが、テレビ局では採用してもらえず、結局ご自身の力で映画にすることに。脚本も監督も自ら取り組むはじめてのフィクション作品となりました。

障がい者専門の風俗嬢という、とてもめずらしい役柄に挑んだ小泉麻耶さん。とても自然体に主人公を演じ切り、映画を輝かせていました。監督は彼女の写真集に掲載されていたインタビュー記事を読み、「社会に対して怒っていたり、いろいろ思っていることがありそうな人」という印象を持ち、彼女にこの役を演じてもらおうと決めたそうです。
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小泉さんの役づくりの話題では、風俗で働く女性というキャラクターを独自に研究したり、アイデアを出したりと、とても熱心に取り組んでいた様子がうかがえました。映画の中で彼女が身につけていた衣装や小物も、ご自身で選んだものが多く使われました。映画のエンドクレジットでも「衣装」の担当に小泉さんのお名前が入っています。

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撮影のはやしまことさんに話が振られると、舞台には撮影で実際に使用されたカメラ機材一式が運ばれてきました。運んできたのは本作で録音を担当した丸池さん。しんゆり映画祭でも毎年ご協力くださっており、音響の技術と知識が必要なトークショーの音声などを担当しています。
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カメラは家電量販店でも売られているデジタル一眼レフカメラ。映画を撮るためのさまざまなオプション機材を装着して使います。今のカメラには高性能の動画機能がついていて、低予算でコンパクトで機動性もあるので、最近では映画撮影現場でも、使われることが多くなってきました。
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はやしさんが撮影において大事にしていることは「演者との距離感」。登場人物に寄り添うよう近づけて撮ったり、客観的に突き放すように離れて撮ったり、こうした撮り方を使い分けるからこそ、良い映像が撮れるとのこと。
そのほか、セリフが入るタイミングより少し遅らせて撮り始めるなど、ドキュメンタリーの撮り方を意識した撮影の工夫があったそうです。

撮影現場でのスタッフやキャストの方の様子などは、笑える小ネタでいっぱい。トークショーの舞台の上も笑い声が絶えませんでした。
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最後はシネマウマによるプレゼントの贈呈。映画祭のお約束です。突然の3頭のシネマウマの出現に、小泉さん爆笑。
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トークが終わるとロビー物販コーナーでは作品パンフレットの販売と、戸田監督と小泉さんのサイン会が。
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お客さまと気さくにコミュニケーションをとりながら、パンフレットにサインをする小泉麻耶さん。
常に周囲を明るくしてくれる、おひさまのような方でした。

朝から夜まで、今年の小劇場の1日は長かったウマ!映像館はどうたったかな?覗いてみるウマ!

映像館レポートはこちらへどうぞ!
posted by シネマウマ at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート
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