2013年10月22日

珈琲でもてなし、エンピツで心を伝えたい! 6日目(11日)レポート!

サーフィンが大好きなシネマウマです。6日目(11日)のプログラムは『命ある限り』『珈琲とエンピツ』『戦争と一人の女』『カリフォルニア・ドールズ ニュープリント版』でした。今回は、ゲストトークのあった『珈琲とエンピツ』の様子を。記録班スタッフがレポートします。

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大変な盛況でした!

本作は、ろう者でサーフショップを営む太田辰郎さんを描いたドキュメンタリー映画。来店客には、まず、ハワイのコーヒーでもてなす。手話のできない人とは、紙とエンピツによる筆談。身振り手振りのボディーランゲージを交えれば、コミュニケーションはまったく問題ない。そんな太田さんの日常を描いています。

手話のできない聴者(ここでは「健常者」という表現はしない)は、相手がろう者(「聴覚障碍者」という表現はしない)だと一瞬ひいてしまう。「コミュニケーションが取れない」と、帰ってしまう客もいる。実際、このサーフ&ハワイアン雑貨店を始めた頃は(20年勤めた会社を辞め、サーフボードづくりの修業をして念願のサーフショップの開店にこぎつけた)、客も少なく、来店してもすぐ帰ってしまう人も多かったそうです。

そこで、太田さんは、まず、珈琲でもてなすことにしました。耳が不自由であることをボードに示し、紙とエンピツを用意して筆談。ここまでくれば、言葉の壁は低くなる。あとは身振りと手振りで補えば、コミュニケーションは十分とれて、お客さんとも自然に打ち解けた会話となっていく。

もちろん、太田さん自身が太めのコメディアンといった風貌(ちょっとツノダヒロに似ている)で、ひとなつこさを醸し出していることが大きい。ろう者・聴者にかかわらず、太田さんは楽しくおしゃべりしている。映画はそんな様子を軽快に描いています。

この映画の監督である今村彩子さんもろう者です。ナレーションも、監督自身が担当しています。

上映後、その今村監督、太田さんをお招きしてのトークは、終始笑いが起きる明るい雰囲気でした。太田さんのキャラもありますが、ボランティアの方々の手話や手書き速記の巧みさがあってのことで、みごとだと感心しました。

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太田さん。「なぜ筆談にエンピツなのか」という司会者からの質問に「エンピツ書きだと感情が出る、性格もわかる、だからエンピツがいい」。なるほど。

「奥さんとは仲がいい。秘訣は?」 「いつも家族でおしゃべりをしている。だから怒る暇がない。妻と仲がいいのは、今でもいつも一緒にお風呂に入っているから」。ふーん、見習わなくっちゃ。

「珈琲が苦手の人にも勧めるのか」という質問もありました。「『まあ、飲んでみて。うちの珈琲は珈琲の苦手な人でも大丈夫』と言って勧める。たいていの人は、飲める、おいしいと言ってくれる」。

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太田さん

今村監督は、「今後、劇映画を撮る予定はあるのか?」という質問に答えました。「生きている人を描きたいからドキュメンタリー一本でいきます。ドキュメンタリーは、撮りながら学ぶことが多い」。

ナレーションも良かった本作。なぜ監督自身がナレーションをしようと思ったのか?
「聴者と同じような声でないので嫌だったし、そんなつもりもなかった。母も反対した。ことばが十分伝わるか、心配でした。しかし、『伝えたい』という気持ちを優先させることにしました」。

字幕も活字ではなく、監督自身のエンピツ書きのものでした。この書体も温かみのある字でしたね。

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今村監督

ゲストトーク終了後にはロビーで、サイン会やグッズ販売が実施されました。トークタイムに引き続き、終始、明るい空気が漂っていました。

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最後に今村さんから今回の上映について、ひとこと感想をいただきました。
「たくさんの人に来ていただいた。トークも温かい雰囲気の中でできて、うれしかった」

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今村監督、太田さん、ご来場のお客さま、心温まる素敵な時間をありがとうございました!(記録班・N)
posted by シネマウマ at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート
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