2012年11月04日

【映画祭レポート】14日(日)アルテリオ映像館/「役者一代・役所広司」特集大盛況!&サイタマノラッパーで映像館がラップ会場に!

KAWASAKIしんゆり映画祭、今年最後のレポート。14日(日)アルテリオ映像館編です。

前半は今年の映画祭の目玉「特集 役者一代・役所広司」の2本。
『わが母の記』は副音声ガイド付上映で行われ、盛況を博しました。


2本目『キツツキと雨』も映画祭初日上映時(ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘)
に続く満員御礼。沖田修一監督を迎えてのゲストトークが行われました。

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監督は初日も、役所広司さんに呼ばれてのサプライズ登壇。今年の映画祭会期中、二度
ご登壇いただいた唯一のゲストでした。

撮影中のエピソードを中心に繰り広げられたトーク。監督が話す撮影現場の珍プレー・
好プレー数々に、会場も笑いに包まれます。

物語の舞台、山の中にある、ゾンビ映画の撮影現場のシーンを撮っているときの様子に
ついて。小栗旬さん演じる田辺幸一は、その劇中内映画の監督です。劇中の撮影隊「田辺
組」を、沖田監督率いる現実の撮影隊「沖田組」が同じ場所で撮っているというなんとも
不思議な光景が浮かび上がってきます。
「僕が『ヨーイ・ハイッ』て言うと、小栗さんが『ヨーイ・ハイッ』て言って、小栗さん
が『カット』って言うと僕が『カット』って言う。鏡越しみたいでした。」
「一回、(沖田組の)撮影の方が小栗さんのカットでカメラを止めちゃって…。笑っちゃ
いましたけどね(笑)」。

そのうち田辺組でスタッフの役をしているエキストラの人たちが沖田組を手伝っていたり
と、わけがわからないことになっていたそうです。

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映画の中での印象的なシーンの一つ、露天風呂。撮影時はなんとマイナス1度!
俳優さんたちは濡れた体にタオル1枚での演技でした。
「ドバイ国際映画祭で上映したんですが、肌を露出していたので成人映画扱いになりました
(笑)。現場は(前作の)『南極料理人』より寒かったです。山の夜って冷えるんですよね。
とにかく役者さんを温めながらやっていました。大変でした」。

露天風呂で役所さん演ずる克彦と小栗さん演じる幸一が近づくところなんてとってもユーモ
ラスでしたね。
「お湯を透明にしてしまったので、見えないように役所さんが工夫したらおもしろい動き
になって、台本には無かったのですが、小栗さんも同じように近づいて、ノリでやってく
れました」

撮影は主に長野と岐阜で行われました。地元の方にもエキストラで出演してもらうため、
オーディションを行ったそうです。スナックのシーンで山崎努さんの相手役をした女性も
岐阜の喫茶店の本物のママさん。オーディションでは台本を使わず即興でしたが、その
演技はとても自然でお上手だったそうです。

客席からの質問で映画のタイトルを『キツツキと雨』にした理由を聞かれると、「オリジ
ナル脚本だったので、内容がわからないタイトル、呼びづらいタイトルがいいなと思って。
林業と映画、カチンコ(木)をたたく音、雨が降ると林業も映画も仕事が休みになるなど、
いろんな隠喩があるなと思ったので、映画を見た後に想像が膨らむと思って。あえてわか
りにくいのにしました」。役所広司さんもこのタイトルを気に入っていたそうです。

トークが終わると映画祭からのプレゼントが。

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あれ?シネマウマでなく…?

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スタッフ扮するゾンビから渡されました。

監督、どうでしょうか、ゾンビの歩き方…。
「本人がゾンビだと思えばいいんじゃないでしょうか(笑)」。
そして、小走りぎみのゾンビスタッフに監督から究極の一言、「ゾンビは走れません!」
沖田監督ありがとうございます!聞きたかったのはその言葉でした!

ちなみに

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ゾンビ前

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ゾンビ後の平本くんでした。

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監督、ご来場ありがとうございました!


アルテリオ映像館の今年のラストを飾ったのは『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』
入江悠監督、岩崎太整さん(音楽)、水澤紳吾さん(俳優・TOM役)がご来場。そして!
直前にご来場が決定した主演の奥野瑛太さん(俳優・MIGHTY役)、ラッパーで劇中ラップクルー
「征夷大将軍」のMC NO SOUNDを演じた回鍋肉さん、さらにさらに!IKKU役の駒木根隆介さんも加わり、
なんと6人がしんゆり映画祭に駆けつけてくださいました! 
前日、都内でオールナイト3作上映イベントでお疲れのところ、本当にありがとうございました!
シンユリノラッパーで盛り上げたスタッフも大感激でした。

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そして!

『2』上映時は「伝説のタケダ岩」でお迎えした映画祭。今年は、お客さまにブロッコリー
(手作り)を持っていただき、ブロ畑でお迎えしました!

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トークは、出演者の方々は入江監督をどう思っているか?という話題で始まりました。
TOM役・水澤さんは、餃子屋の店主を演じた緒明さん(監督)のコメント「入江監督はドSで
あり、ドMである」を紹介、「シリーズの中でどんどんハードルをあげることで、Sにも振り
が向くのかなあ、と思います」。

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左から入江監督、駒木根さん、奥野さん、水野さん、回鍋肉さん、岩崎さん

『1』に続く出演のMIGHTY役・奥野さんは、1作目には感じなかった監督の厳しさを感じた
そうです。「すげえ怖くて、『1』が始まってから5年間、あれ?こんなに怖かったっけ?
って。ハードルをどんどん上げて下さっていて、乗り越えさせるためにみんなを巻き込んで
…っていうスタイルは、入江監督ならではかなと思います」。

クライマックスの長回し・フェスシーンでは、MIGHTYが殴られる場面で「歯が折れてほしい」
と監督から要望があったとのこと。「メールで『いつ歯を折るの』って来たときは、ああ
『Sだなあ』って」。結局予算の関係で歯を折るシーンはなくなったそうですが、もし実現して、
NGを出したらどうなっていたのか?と、奥野さん。「でも、それを含めてそのシーンを撮りたい
という、映画に対する情熱、意気込みは本当にすごいなあと思いましたね」。

本作がシリーズ初出演の回鍋肉さんは、「(入江組は)『雑魚寝感』がすごいっすね。終わって
みんなで雑魚寝、みたいな」。音楽担当・岩崎さんは、「入江組の特徴は、『ご飯がおいしい』
ですかね」。監督の故郷・埼玉県深谷市での撮影は、インディペンデント映画なので弁当は出ず、
みんなで作るか、監督の家で食べるか、という状況。「みんな(撮影で)ヘトヘトになった後、
不思議な体験ですが…みんなで監督の家に行って、ご両親の手料理を振舞われて。
すごくおいしいんです。それをばくばくたべて寝るみたいな(笑)」。地元ボランティアの方に、
名物「煮ぼうとう」を振舞われるなど、本当に美味しそうなエピソード。

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「ドS」「ドM」と評された入江監督、「自分じゃわからないですからね…」。
「現場じゃ本当に厳しいですよ。やっぱり1シーン1カットが多いので、本当に一箇所でも
だめだった場合は当然(OKが)出ないので、緊張感は絶対。まあ、その緊張感がないと。
僕らが追い詰められないと画面にのらない、っていう部分を、ぎりぎりの限界まで求めてくる」
(駒木根さん)。

本物のラッパーである回鍋肉さんとの共演についても語られました。SHO-GUNGはラップも
歌い方も習って覚えてから演じるそうですが、回鍋肉さんたちのラップクルー「征夷大将軍」の
トラックは、歌詞はラップ指導担当で、『1』『2』では「伝説のトラックメーカー・タケダ
先輩」として出演もする上鈴木伯周さん・タカヒロさんが書いたものと、回鍋肉さんたちが
書いたものをあわせているそうです。

「『ここ、なんかいい言葉ねーなあ』なんて感じになったら、『じゃあ5分あげるんですぐ書い
てください』と。『5分て?』とか思ったんですけど」(回鍋肉さん)。「でも、そこがすごい。
それで書けるっていうのが。まじですげえんだなって」(駒木根さん)。「いや、それは俺も
びっくりしました。書けんだな、って思って(笑)」。

「一番ラップのスキルが上がったのはトムさんかもしれない」(駒木根さん)。駒木根さんと
奥野さんは普段からラップを聴いていたそうですが、水野さんは「僕はサザンオールスターズ
の大ファンで…。ラップ、ヒップホップというのを当時あまり聞いていませんでした(笑)」。

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「三部作の中で本作が一番暴力シーンが激しかった。これは意識して作ったのか、それとも
自然とシナリオを作っていたときにそうなったのか」という観客からの質問に、入江監督は
『3』の構想を練っていたときに遭った東日本大震災との関連に触れました。「たぶん両方
ですね。何か、すさみましたね、震災のあと。1作目はIKKUが実家でコタツに入って寝て、
公園行ってみかんくって、夢を見てましたけど…。何か違う。そういう社会がちょっと
変わって、もっと何かがむき出しになった気がしたんですよ。それが、意識している部分と
無意識の部分両方で変わって、3作目がこうなっていると思います」。

終盤の長回しフェスシーンの苦労話について、岩崎さんが語りました。「誰がどこで何をして何が
苦しかったっていうのは、監督以外はあの現場で一人も共有していない。みんな別の場所にいて、
車に監督が乗るために、階段を置くだけの人もいる。煙を出すところで、バルサンをバッとたく
だけの人もいる。僕は曲を同期させる役割、再生ボタンを一回押すだけなんですが、絶対にそれで
止めるわけにはいかないので…。大きい配給会社ではできない体験として僕らにも刻まれています」。
「ステージ上の僕ら3人は、音楽が鳴るまで、ずっとステージ上で立って待ってる。お客さんも
僕らのほう見ながらずっと立って待ってて、太整さんが音楽のスタートボタンを押したら一気に
動き出してっていう、あの待っている間がもうたまんなかったですね」(駒木根さん)。

本作の宣伝のために地方の多くの映画館を訪れて、今の映画館の現状を知ったという奥野さん。
「支配人の方々と経営のこととかお話ししながら宣伝して、それは僕にとっていい経験だったな
と思います」。今年の映画祭テーマ「映画よ どこへ─」につながる、名画座閉館の話になったと
ころで、突然!MIGHTYになって立ち上がり、ラップを披露してくださいましたー!
水野さん、回鍋肉さんも続き、お客さまはブロを振るー!
小劇場が興奮のライブ会場と化しました!

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最後に、シンユリノラッパーも乱入!サイタマノラッパー&シンユリノラッパー夢のご対面を
させていただき、感涙モノのラストとなりました!

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本当にありがとうございました!11月にはDVDも発売ですよー♪

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熱気覚めやらぬロビー、ファンの方々との交流が続きました

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SR隊の皆さま、「キツツキと雨」沖田監督も打ち上げにも参加してくださり
疲れも吹っ飛ぶ最終日でした!スタッフの皆さん、お疲れさまでした。

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以上、最終日・14日アルテリオ映像館のレポートでした。

今年のゲストトーク・講演はのべ20本。役所広司さん特集に始まり、100年前の映画、若手の
新しい才能、震災ドキュメンタリー、その他さまざまなジャンルの映画上映とトーク・イベントが
行われました。映画を観たあとに、実作者と観客がその映画について語り合う幸せな場。
映画祭の醍醐味を感じました。

足をお運びいただいたお客さま、ご来場いただいたゲストの皆さま、ありがとうございました!
来年もスタッフ一同、シネマウマとともにお待ちしております!

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(KAWASAKIしんゆり映画祭HP班・記録班)
posted by シネマウマ at 02:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート
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