2014年11月30日

【映画祭レポート (2014.11.3 アルテリオ映像館A)】『野良猫ロック 暴走集団'71』ついに藤竜也さん登場!白鳥あかねとのほのぼのトークにお客さんもみな笑顔!2014年の映画祭いよいよフィナーレ!

午後は、10月30日から続く企画「スクリプター・白鳥あかねの映画人生50年+SPECIAL」の最後を飾る作品『野良猫ロック 暴走集団 '71』の上映がありました。上映終了後は、お客さまも、映画祭スタッフ(特に女性スタッフ)も心待ちにしていた、俳優・藤竜也さんが登場!

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藤さんは10月25日と11月1日に上映した『私の男』、本日午前に上映された『ションベン・ライダー』、さらに昨年上映した『愛のコリーダ』にも出演されています。本作ではヒッピー集団のメンバー“マッポ”を演じた藤さんと、スクリプターを務めた当映画祭代表・白鳥あかね。どんなトークが繰り広げられたのでしょうか。

「おたがい青春でしたね…。」
44年前、スクリプターとして、役者として、それぞれの立場でこの作品の制作現場で仕事をしていたお二人。
当時の様子を語ります。

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白鳥「ものすごくしんどい映画だった。夜も眠れない。鉱山みたいなところでドンパチやってるシーンのときはお昼ごはんが食べられない。藤田敏八監督は自分が夢中になると時間の観念がない人で、スタッフは疲労困憊。みんなおなかが空いてるのにいつまでも撮ってるから、スタッフがお昼ご飯を食べたのは夜8時頃。藤さん覚えてました?」
藤さん「全然覚えてないです。」
白鳥「俳優さんてすごいですよね。わたしなんかよくスクリプターができたと思うくらい、撮影の中身はほとんど覚えてない。撮影期間は20日間くらい。日活はお金がない会社だったから少ない日数の中で詰め込んでやるわけです。スタッフが若いからがんばれたけど…あのときは藤田監督を鬼だと思いましたね…。」

藤田敏八監督は、なぜ“パキさん”と呼ばれているのか
 “パキさん”の愛称で親しまれていた藤田監督。不思議な呼び名の由来、気になります…。
藤さん「あの方はなんでパキさんて呼ばれるんですか?」
白鳥「国籍不明な雰囲気の人柄から、助監督になってすぐについたあだ名が“パキスタンの皇太子”。縮めて“パキさん”。」
藤さん「(日活の監督は)みんなユニークな監督でしたね。パキさんなんてほんと、得体が知れなかったもんなぁ…。」

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濃いキャラクターの俳優たちと…

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 席の横に飾られた『野良猫ロック 暴走集団'71』のポスターを眺めながら、「ほとんど死んでますよ、みんなね。すごいなー、この死亡率は。男で生きているの僕だけですよ」と藤さん。共演した俳優さんたちの多くは他界されています。藤さんから見た、個性的な共演者たちの印象とは…。

白鳥「久しぶりに観たけど、本当に不思議な映画ですよね。俳優さんたちも不思議。」
藤さん「原田(芳雄)さんは不思議な人でしたね。(映画の中で)どてら着てますよね。なんでどてらなんだろう…、僕には理解できなかったな。とんだ発想を持った、頭のいい方なんだと思いました。どてらだけで尊敬しちゃった。」
観客(笑)
藤さん「地井(武男)さん、散歩の番組(テレビ朝日の「ちい散歩」)あったでしょう、青年時代からあのとおりの人でした。とってもいい人。それから…安岡力也、彼は美しい青年でした。信じられないくらいハンサムで、勝てっこない。唯一勝てたのは腕相撲でした。みんな、仲良かったねぇ…」
白鳥「濃いキャラクターの人が集まってるから、今観ても面白いですよね。」

藤さん「郷^治とはすごく仲が良くてねえ…。僕が日活に入ったのは昭和37年。その2年後くらいに小林旭さんの映画『渡り鳥シリーズ』をリメイクしたテレビドラマに一緒に出たんですが、その頃から私生活でも仲良くなって。」
白鳥「気持ちいい青年でしたねえ、兄貴(俳優の宍戸錠さん)とちがって。」
観客(笑)
藤さん「いや、兄貴もいいですよ。僕より先輩だけどやっぱり仲良くしてもらって。ある日、“これからはミュージカルの時代で英語も話せないとダメだ”って言われて、錠さんと一緒に半年間、青山にタップダンスを習いに行ったことがあります。英語も習いに行きました。そのころ日活の俳優はみんな努力していました。実にならなかったけど…。」
観客(笑)

「ところで、こんな話してていいの?全然映画の話してないじゃない。」
共演者の話から、日活の俳優たちの話題へ。藤さんがタップダンスを習っていることを聞きつけた小林旭さんが、こっそり猛特訓して、すっかりモノにしてしまったことや、白鳥が『渡り鳥シリーズ』でスクリプターをしていたときに、前の場面と違う色の靴下をはいてきた小林旭さんを注意して、はき直させたというエピソードなど、話題は『野良猫ロック』からどんどん広がっていきます。
脱線モードを気にした藤さんに、「映画の世界で生きるとはどういうことなのか、みなさん聞きたいのだから、いいんですよ。」と白鳥。「スクリプター・白鳥あかねの映画人生〜」の企画は、白鳥がスクリプターをつとめた作品とそのゆかりの人とが、作品以外にもその時代のことや、当時の映画界の様子などを語る場でもあります。まるでどこかのバーでグラス片手に、白鳥あかねとゲストが思い出話に花を咲かせているところに居合わせたようなトークショーなのです。ユニークなエピソード数々に、会場は笑いが絶えません。

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「何十年たった今でもこうして藤さんと普通に話せるように、ほかの映画会社と違って俳優とスタッフとの垣根がなく、わきあいあいとして不思議な雰囲気だった。」と白鳥。今日こうしたトークショーが開けるのも、そんな“日活”という会社の雰囲気があったからかもしれません。

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白鳥「今日は、わざわざ藤さんにしんゆりに来ていただいて光栄です。お客さまのいきいきとした顔を見ていると、本当によかったなあと思って…。私も長生きしてよかったなあと思います。」

「なんか、聞いてみたいことあります?」
と、藤さんが促す形で観客席との質疑応答コーナーがはじまりました。
その一部をご紹介しましょう。

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Q.いろいろと体を鍛えられていると聞いたことがあるのですが、今も続けていらっしゃるのですか?
藤さん「今も週3日くらいやっています。今はもう伸ばさないと屈めなくなったり、単純な動きができなくなる可能性があるので、ストレッチなどを主にやっています。」

Q.英語も続けていらっしゃるんですか?
藤さん「ついこの間、“4ヶ月リスニングマラソン”を終えたところです。でも終わってから生の英語のニュースを聞いてみても、進歩してるのかなぁと思うんだけど…。でも、とても楽しいです。」

Q.藤さんが出演される作品に対して、奥様(元女優の芦川いづみさん)は批評とかされますか?
藤さん「僕の妻は、全ての作品に対して“すてき!”としか言いません。もう、それに支えられていますよ!」
このお答えには会場から大きな拍手が起きました。

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これまでに共演した女優について
質疑応答ではほかにも、藤さんに「本作で共演された梶芽衣子さんと、『私の男』で共演された二階堂ふみさんについてのご感想をお聞かせください」という質問もありました。

「梶さんは、40年前の彼女が今出てきても、おそらく通用しますね。ものすごくきれいで、モダンな感じでした。目つきがアップになったときの目の強さなんて、なかなか今ではいないくらいインパクトがありました。」

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ⓒ日活

「二階堂さんは得ですね。何もしなくても雰囲気が饒舌なんですよね。セリフがなくても意味ありげな…。普段は高校生くらいの普通の女の子ですが、芝居になると、出してくるものがものすごく強い。そういう人っているんですね。寡黙でも饒舌。感心しました。」

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なるほど。梶さんと二階堂さん、1970年代と2010年代、それぞれの時代にスクリーンの中で強い存在感を放ち、観客を魅了しているという点がよく似ていますね。

そろそろトークも終わりに近づいてきました。
白鳥「スタッフと俳優さんという立場にかかわらず、同じ釜の飯を食ってきた仲間というのは、青春を一緒に生きてきたというイメージがありますよね」
藤さん「そうですね。」
白鳥「特にパキさんみたいな監督の下、お昼も食べさせてもらえないような過酷な状況の中で、ものをつくっていたということは、今考えるととても得難い経験だったなあと思います。藤さんが今でもいきいきと活躍されているはすごくうれしいし、しんゆり映画祭のお客さまが、みんなこんなに笑顔で迎えてくれて喜んでくださるというのは、わたしもこの仕事をやっていてよかったなあと、つくづく幸せに思います。」

シネマウマも客席のみんなの笑顔が忘れられないウマ!
ということで、今年の最後の回もシネマウマが藤さんにプレゼントを渡しました。
そして、満員の客席からの大きな拍手に包まれながら、藤さんと白鳥あかねがゆっくりと会場を後にしました。

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さて、トークの中で藤さんからもお話がありましたが、
来年2015年4月より公開の北野武監督の最新作『龍三と七人の子分たち』は藤さんが主演されております。
また、テレビでも4月からはじまる時代劇ドラマで主演をされているとのこと。
楽しみに春を待ちましょう!

第20回しんゆり映画祭に来てくださったみなさま、
本当にありがとうございました。
外はすっかり寒くなり、新百合ヶ丘も大きなクリスマスツリーやイルミネーションが街を彩る季節になりました。
風邪には気をつけて、冬もたくさん映画を楽しんでくださいね。

→午前のプログラム『ションベン・ライダー』のレポートはこちら


posted by シネマウマ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭レポート
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